━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Red Hat Linux Q & A 初版登録 1996/01/16 第 2 版 1996/02/06 第 3 版 1996/02/22 第 4 版 1996/03/31 第 5 版 1996/06/09 第 6 版 1997/01/26 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この文書は、私が Red Hat Linux 2.0 および 2.1 のインストールをした際にハマ ッたいくつかの点を中心にQ&A形式にまとめたものです。 書いている本人が初心者のため、思い違いなどもあると思いますが、多少でもお役 に立てればと考えて、公開することに致しました。 第6版では、Ver.4.0 に対応する若干の補足を行いました。 誤り・陳腐化など不都合がありましたら、ご連絡いただけると幸いです。 連絡先:砂山 仁 suna@ari.bekkoame.or.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目  次 1 概 要 1-1 Red Hat Linux とは何ですか? 1-2 Red Hat LiNUX の特徴は何ですか? 1-3 Red Hat LiNUX は、どこで入手できますか? 1-4 PLUG & PLAY 機能はありますか? 1-5 サポートは、どのようになるのでしょうか? 1-6 Red Hat Linux の参考書には、どんなものがありますか? 2 インストール 2-1 CD-ROM からの直接インストール 2-2 X Window を使うインストールについて教えてください。 2-3 複数の X サーバを導入するには? 2-4 サウンドボードは使えますか? 2-5 Cyrix・AMD などの互換CPU でも使えますか? 3 日本語対応 3-1 日本語対応は可能ですか? 3-2 106キーボードを使うには? 3-3 Mule で日本語を入力するには? 3-4 その他JE導入での注意事項はありますか? 4 トラブルへの対処 4-1 ATAPI の CD-ROM が認識されません。 4-2 ATAPI の CD-ROM がマウントできません。 4-3 X Window を使ったインストールができません。 4-4 なぜか、インストールが途中で止まってしまいます。 4-5 Xconfigurator が必ずエラーになってしまいます。 4-6 Metro-X の環境設定で、自分のグラフィックカードが見当たらない。 4-7 Mule が起動できません。 4-8 fvwm95 が Windows95 と同じにならない。 4-9 Network 設定画面が起動できない。 4-10 特定のプロバイダに接続できない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 概 要 1-1 Red Hat Linux とは何ですか? 米国 Red Hat 社がリリースしている商用 Linux システムです。正式商品名は Red Hat Commercial LiNUX と書きます。 雑誌で『初の商用 Linux 』と紹介されていた Caldera も、実はこの Red Hat Linux をベースにして独自の拡張機能を付加したものです。 同社の公式ユーザーズガイドの REDHAT-FAQ 11.4.16 にも、同社と Caldera 社は全 く別の会社であるが、 Caldera 社は同社製品を Caldera製品の基本部分に使用する 権利を有するとあります。 1-2 Red Hat LiNUX の特徴は何ですか? 以下の4点に要約できると思います。 1.X Window を使ったインストールとシステム管理 後で述べる注意点もありますが、概ね MS-Windows並の超簡単インストールがで きます。( 4.0 では X Window の使用をやめ、その代わり高速化されました。) Control-Panel を使ったシステム管理も MS-Windows 感覚で行えます。 2.インストール時のノンストップファイルコピー slackware では基本的にはディスクセットごとのインストールなので、1つの ディスクセットがインストールされるごとに一旦停止し、次のディスクセット から何をインストールするかを尋ねてきます。 しかし Red Hat LiNUX では、初めに対象を指定してしまうので、ファイルコピ ーについてはノンストップで進行します。 3.パッケージごとの追加インストールやバージョンアップ RPM という、パッケージごとのインストール・アンインストール・バージョン アップが簡単かつ確実に行えるシステムも、従来の Linux パッケージにない利 点でしょう。 これこそが Red Hat の最大の特長だと私も思います。 slackware などからの乗り換え組のほとんどは、この点を評価したのではない でしょうか。 4.Metro-X 標準装備 1996年3月発売の Red Hat 3.0.3 Official版からは、価格据置で Metro-X の シングルユーザー版がバンドルされています。( Metro-X 3.0.29beta-4 版) 5.ネットワーク関係の GUI による設定 control-panel の Network Configuration を使えば、ppp 関係の設定が GUI でできます。ppp-on(ppp-off)スクリプトなど不要です。 接続・切断も GUI のボタンをクリックするだけで、MS-Windows 感覚の手軽さ です。 1-3 Red Hat LiNUX は、どこで入手できますか? LASER5 03-5296-0670 ぷらっとホーム 03-3251-7611で購入できます。 1. Red Hat Official LiNUX 3.0.3 3,800円(税抜き) 正規版で箱入り、Metro-X 同梱です。 DEC Alpha用は 6,800円(税抜き) だったと思います。 2. Red Hat LiNUX Archives 2,500円(税抜き) フリーソフトウェア版 Metro-X は入っていませんが、DEC Alpha用は同梱です。正規版を持っている人 も購入して損はありません。 Disk4 を使えば Floppy based Installation も可能になったようです。 3. 各社版 以下の各社からも入手できます。 Red Hat 社からのサポートが受けられない、お試し機能がないなどの違いもあ りますが、CD-ROM からの直接インストールが可能なものもあるなど、特色のあ るものがあります。 ● Pacific Hi-Tech (PHT) ● InfoMagic ● Yggdrasil 4. 林雅人著LINUX入門キット秀和システム 3,800円(税込) Pacific Hi-Tech版+詳しい解説+JEと魅力的な書籍です。 但し、ベースは Ver.2.0 です。 ISBN 4-87966-516-9 C3055 P3800E 5. 海賊版(?) Red Hat社の表現を借りると "From your buddy's CD :-)" となるのでしょうか 。使うのは自由ですが Red Hat社のサポートは受けられません。 GPL によると本来は Linux 本体に海賊版という概念はないので、表現が不適切 だったかもと反省していたのですが、正規版パッケージに Metro-X が同梱され るようになったので、この部分については、 (?)付きでない正真正銘の海賊版 が存在し得ることになりました。 この Metro-X はシングルユーザーライセンスなので、自分だけで使う限り何台 のPCにインストールしても許されるのでしょうが、他人にコピーさせると不 法コピーになってしまいます。 6. ftp など Red Hat社のサポートは受けられません。 1-5 PLUG & PLAY 機能はありますか? LASER5 の LINUX+JE4 や Yggdrasil と同様の PLUG & PLAY によるお試し機能があ ります。 正規購入版の 2枚の CD-ROM のうち 2枚めが、LIVEファイルシステムと呼ばれる PLUG & PLAY 機能を持っています。 この場合、boot は環境に合わせて72種類の中から選ぶところまでは通常インストー ルと同じですが、 root には images ディレクトリにある liveram.img を使います 。 1-6 サポートは、どのようになるのでしょうか? 商用システムなので、正規購入者は Red Hat 社から直接サポートが受けられます。 その場合、THE RED HAT LINUX SUPPORT PROGRAM という公式サポートプログラムの 購入者は最優先されます。 しかしこの商品(というより契約)は年間399ドルと高額のため、趣味で Linux を使 っている私のような者は手が出せません。 その他サポート関係で注意すべき点は、サポートはあくまで正規版購入者に限定さ れるという点でしょう。 2.1 からはシリアル番号を採用して正規購入者を識別しています。 Red Hat LiNUX は、市販 CD-ROM や ftp でも入手可能ですが、以下のような入手方 法は直接サポート対象になりません。 FAQ や HOW-TO を参照してくれと言っています。 ・ Caldera ・ Pacific Hi-Tech (PHT) ・ InfoMagic ・ WorkGroup Solutions (WGS) ・ Linux Systems Labs (LSL) ・ ADRAS Computing ・ ftp ・ その他 "From your buddy's CD :-)" ※最近発売された Yggdrasil も上記に含まれると思います。 日本国内の販売店で購入された正式購入版については、米国内と区別することなく サポートされます。 この点については、原研の古高様が、直接 Red Hat社から確認してくださいました 。 ※Red Hat 3.0.3 では、インストールに関する60日間の e-mail または FAX による サポートのみに変更されたようです。 それ以上のサポートは有償ということでしょうか。 Red Hat 4.0 にも同じような期間制限がありました。 1-7 Red Hat Linux の参考書には、どんなものがありますか? Red Hat Linux の参考書に限れば、現時点ではLINUX入門キット(秀和システ ム) 以外には事実上ないようです。 英語の本でも良ければ、正規購入版のマニュアルでも紹介されている『 DOCTOR LINUX 』(ISBN 1-885329-05-9)があります。 270mm×205mmで約1200ページと大判のためか、まだ国内では入手できない状況です 。私は http://www.redhat.com を通じて ACC Bookstore で購入しましたが、本体 34.95 US$ + 送料 38.95 US$ でした。 ※その後 T-ZONE ミナミや CD-ROM パラダイスで 4th. Ed. を見かけたことがあり ます。 2 インストール 2-1 CD-ROM からの直接インストール 正規版は 3.0.3 で、また PHT 版の一部などでは、ブートフロッピィを使わない CD-ROM からの直接インストールが可能になっています。 例えば正規版 3.0.3 では、まず DOS 上で CD-ROM が認識できる状態にしておき、 REDHAT.EXE という専用インストーラを起動します。 ただ、私の環境では、うまく行きませんでした。 正規版 4.0 では、パッケージ付属の専用フロッピィで起動し、あとは全てCD-ROM からのインストールが進みます。 2-2 X Window を使うインストールについて教えてください。 boot と ramdisk(root) の2種類の起動用ディスクを作るところまでは slackware などと同じです。 また、一部のシステムでは、起動用ディスクなしで CD-ROM からの直接インストー ルも可能です。 ramdisk が2枚になる点、boot が SCSI とネットワークの組み合わせによる72種類 の中から選ぶ点は slackware と違います。 しかし最低限の設定が済むと、ここから先が他のシステムと異なり、ファイルコピ ーなどが始まる前に、まず X Window が起動します。 そこからは、X Window 上のダイアログに答えて行くという形でインストールが進み ます。 パーティション設定・スワップ領域の設定・フォーマットなども、全て X Window 上で進みます。 ※ 4.0 では X-Window を使わなくなりました。速度を優先したようです。 2-3 複数の X サーバを導入するには? まず、パッケージ選択の画面で『Customize Installation further』がチェックさ れているのを確認し、この画面の X11 のフォルダで、ご自分の環境に合わせた X サーバや VGA16・SVGA など必要な X サーバを選択してください。 2-4 サウンドボードは使えますか? デフォルトでは使えません。 しかしカーネルの再構成をすれば、使えるようになります。 カーネルの再構成というと大変な作業のように思いがちですが、実際には非常に簡 単です。自信のない方はLINUX入門キット (秀和システム) の P.132 をご覧に なると良いでしょう。 但し初版第1刷には1箇所ミスプリントがあります。(誤:make dep; male clean ・正:make dep; make clean) 作業中のメッセージは全て英語ですが特に難しいことはありません。 メジャーなボードであれば大丈夫です。しかし Mozart のように SB16 ハード互換 ではなくソフトウェアで互換をとっているボードでは、音が出ないかも知れません 。その場合は、一旦 DOS や Windows95 で起動してからリブートで Linux を起動す れば音が出ると思います。 Linux では試していませんが、メーカーのドライバが存在しなかった時期に WindowsNT 3.5 では成功しました。 2-5 Cyrix・AMD などの互換CPU でも使えますか? 基本的には大丈夫です。これらのメーカーでは UNIX での動作も保証しているはず です。ただ、メーカーが動作確認を行った UNIX の中に Linux が含まれているとは 期待できないでしょう。 私もメンバーですが、NIFTY-Serve の SCYRIX では、多数のメンバーが Linux での 動作を報告しています。 私自身も、実際に Cyrix 6x86-100GP を入手して ASUSTeK PCI/I-P55SP4 上で Red Hat Linux 2.1 の動作を確認しました。 xplaycd で音楽CD も全く問題なく再生できました。 特に 6x86 では BIOS サポートが一応できているためか、ドライバソフトがなくて 分岐予測 ON にできなくても、同クロック Pentium相当の速度が出る点で、Cyrix 5x86 より大きく進歩しています。 Cyrix 5x86 のリリース当時は、BIOS サポートが不十分だったため、フロッピィ書 き込みで不具合が出やすい上にドライバがなければ DX4 並でしかないなど、悲惨な ケースが多発しました。 今は問題が少ないとはいえ、それでもこのような互換CPU を使用される場合は、一 応の覚悟は持っておいてください。 私の場合も PB-SRAM に Winbond社製を使った場合は、Windows95J が起動できませ んでした。 3 日本語対応 3-1 日本語対応は可能ですか? JE-0.9.7 による日本語対応が可能です。 JE-HOWTO によれば、JE-0.9.7 が Red Hat LiNUX 2.0 をサポートしています。 但し、正式サポートとはややニュアンスが違うみたいなので、不具合があったら fj.os.linux に報告してください。 Red Hat LiNUX 2.1 からは、kterm も標準装備です。 また Marc Ewing 氏( Red Hat 社長?)もJEには強い関心を示しているため、将来 のバージョンでは RPM 化されたJEが標準装備になる可能性もあります。(この部 分は単なる希望的観測。でも私が Marc Ewing 氏からそういう mail をもらったの は事実) 3-2 106キーボードを使うには? まず、JEから j106-d.map を持ってきて /usr/lib/kbd/keytables にコピーして ください。 次に、/etc/sysconfig/keyboard の内容を以下のとおり変更します。 KEYTABLE="/usr/lib/kbd/keytables/j106-d.map" これだけで、次回起動時から loadkeys は自動的に実行されます。 Metro-X では AX と OADG のキーボードが選べますが、私の環境では 106キーボー ドとしては使えませんでした。 3-3 Mule で日本語を入力するには? Mule が正常に起動しない場合 -> ライブラリの問題です。 日本語が正常に表示されるのに日本語の入力ができない場合は、.emacs ファイルが ないためでしょう。 ホームディレクトリに .emacs ファイルを作ってやれば解決します。 .emacs ファイルの内容 (かんなの場合) (canna) 3-4 その他JE導入での注意事項はありますか? とくにありませんが、強いて言えば、何も考えずに ezinst するとfvwm や xfm の 環境が上書きされてしまう点でしょう。 これは不具合というより好みの問題なので、注意事項には該当しないと思います。 ezinstのパッケージ選択の際に、マークするパッケージに注意していただければO Kです。 LINUX入門キット(秀和システム) をそのまま利用する場合は、このような問題 は起こらないはずです。 しかし Ver.2.1 の正規購入版のJE化をLINUX入門キットで行おうとすると問 題が起きるようです。 この本のJEはカスタマイズされているみたいなので Ver.2.1 のJE化を行う場合 には、LASER5 の LINUX+JE4 1995/12 等を利用した方が無難でしょう。 4 トラブルへの対処 4-1 ATAPI の CD-ROM が認識されません。 comp.os.linux.* でも話題になっていたようですが、これは Red Hat に限ったこと ではなく、一部のドライブがセカンダリではマスターでしか認識できないという不 具合があるようです。 その場合はとりあえずマスター側に接続してください。 私の環境では、Mitsumi FX-400 がそれに該当しました。slackware、Red Hat とも 同一の症状でした。 Red Hat では、一旦インストールができてしまえば、セカンダリ・スレーブ側に繋 ぎ直しても以後は認識されます。 Red Hat 2.x では、EDEE製 ECR-512 という倍速 ATAPI CD-ROM の場合には、セカン ダリ・スレーブでもインストール時に認識されました。 これにより Mitsumi FX-400 固有の問題ということが判明しました。 その後 3.0.3 では、linux hdd=cdrom と起動パラメータを渡すことにより、セカン ダリ・スレーブ側でも、Mitsumi FX-400 が正常に認識されるようになりました。 4-2 ATAPI の CD-ROM がマウントできません。 CD-ROM からインストールしたのに CD-ROM がマウントできないというのは、2.0 以 降のバージョンで起こる不具合 (というより、多分『仕様』?) のようです。 原因は、デフォルトではマウントポイントとなるディレクトリを作ってくれないこ とにあるようです。 自分でマウントポイント /mnt/cdrom を作ってやれば解決します。 Red Hat では、この作業も X 下で可能です。 1.xfm を使って、マウントポイントとなるフォルダ /mnt/cdrom を作る。 2.Control-Panel の中から File System Configuration を選び、メニュー FSM のサブメニュー Add Mount を行う。 3.File System Configuration で /mnt/cdrom にカーソルを置いて Mount ボタ ンをクリックする。 なお 3.0.3 ではマウントポイント /mnt/cdrom は作ってくれるのですが、インスト ール直後は CD-ROM を認識しないというトラブルもありました。 これは /mnt/cdrom に対応するデバイスが、私の環境 /dev/hdd (私の環境では IDE のセカンダリ・スレーブのため)ではなく、なぜか/dev/cdrom になっているためで した。 control-panel の File System Configuration から修正したら、すぐに直りました 。 4-3 X Window を使ったインストールができません。 4.0 では、X Window を使ったインストール自体がありません。 3.0.3 までについては、 XFree86 を使った X インストールの場合に発生する問題 です。 以下の3とおりの対応法があります。 1. Metro-X を使う方法 Official版を持っている場合は、迷わず Metro-X を使うインストールに変えて みてください。 代用可能な設定が見つかれば、これが一番快適です。 対応するグラフィックカード名が見当たらない場合はこちら 2. VGA16の X サーバを使う方法 Official版を持っていない場合は、まず、こちらを試してください。ご自分の 環境がアクセラレータ使用であっても、意図的にこれを使うのです。 MS-Windows などでも、インストール時には標準VGA 使用で、S3のハイレゾ画面 などは使わなかったことを思い出してください。 この方法ならば、ほぼ間違いなくインストールが続行できます。ただ真っ正直 に実行すると、未来永劫 VGA16 しか使えません。 そこでインストール用 X サーバとしては VGA16 を使うものの、その後のパッ ケージ選択の画面で、ご自分のアクセラレータ用 X サーバに変更してしまうの です。 パッケージ選択の画面で『Customize Installation further』がチェックされ ているのを確認したら、この画面の X11 のフォルダで VGA16 をキャンセルし て、ご自分の環境に合わせた X サーバを選択してください。これでもインスト ールは正常に実行されます。 3. テキストベースのインストールを使う方法 どうしてもできない場合については、テキストベースのインストールにせざる を得ません。 テキストベースといっても slackware などと同様にカラフルな画面です。 私の操作が誤っていたのかも知れませんが、あまり細かい設定はできないみた いです。だから、おすすめしません。 4-4 なぜか、インストールが途中で止まってしまいます。 X を使ったインストールで起こる場合があります。 原因は不明ですが、このような障害が起きた場合には、アブリケーションのインス トールを途中でやめて、勝手にカーネルのインストールに移行してしまいます。 商用インストーラのため、故意にそういう仕様にしていると思われます。諦めず、 リトライすべきでしょう。 それでもだめなら、『小さく産んで大きく育てる』という対処法が良いと思います 。 つまり、インストールできたところまでで中断し、不足分は RPM システムを使うか 、追加インストールで、随時補足して行くのです。 私の場合は、M/B を Cyrix 6x86 対応するため BIOS のアップデートをしたら、こ ういう症状が出るようになってしまいました。 CPU は Pentium 120 のままなので、Cyrix のせいではありません。その後 3.0.3 にしたら、こういう症状は出なくなりました。 4-5 Xconfigurator が必ずエラーになってしまいます。 考えられる原因は2つあります。 いずれの場合も、観念して xf86config を使うしかありません。 1.Xconfigurator の機能に限界がある。 Xconfigurator とは、xf86config と同様の機能を持った簡単設定ユーティリテ ィで、インストール時などに X の環境設定にも使用されていますが、使い易さ と引き換えにやや機能が限定されているため、不具合の出る場合があります。 私の場合、LeadTeK社製 Vision968-PCI 2MB で、1024*768 NI が選択できませ んでした。 2.インストールした X サーバとの矛盾 VGA16 のサーバを使ってインストールしながら、実際には S3 のサーバをイン ストールした、などという場合です。 運が良ければ何ごともなく Xconfigurator で設定できるのでしょうが、複数サ ーバ導入の方法をとった場合は、まず発生するものと考えてください。 4-6 Metro-X の環境設定で、自分のグラフィックカードが見当たらない。 商品名で指定するようになっているため、どれを選んで良いのかわからないことが あります。 以下のファイルを覗いて、同一構成のカードを探してみてください。 1: /usr/X11R6/lib/X11/Metro/configX/Cardinfo 2: /usr/X11R6/lib/X11/Metro/DisplayConfig/DEVICENAME/config 1: は、設定ユーティリティ configX( X Window 版)または configX.curses (コンソール版)が参照するチップ名などの一覧ファイル 書式は以下のとおり Class DEVICENAME -> s3_*** など CARDNAME -> Nunber Nine GXE Level ** など # コメント -> 補足説明 : Clocks yyy zzz etc. -> クロックに関する特記事項 2: は、カードごとの詳細設定ファイル 解像度・クロックに関する事項など 私の使っている Leadtek Vision968 PCI は、Metro-X の環境設定 ConfigX のリス トに載っていませんでした。 しかしダメもとで Nunber Nine GXE Level 12 で試したところ、あっさりと 1024× 768 でインストール作業ができてしまいました。 4-7 Mule が起動できません。 この場合 mule: can't find library 'libcurses.so.1' と怒ります。3.0.3 になっ たら、このライブラリは消えてしまったようです。 私の場合、LASER5版 LINUX+JE4 の live-CD から該当ライブラリを持ってきてリン クを張ったら解消しました。 これを fj.os.linux に投稿したら、渡辺正志様から、次のようなご教示をいただき ました。 私自身ではまだ確認していませんが、こういう方法もあるそうです。 私の場合、libcurses.so.1が近くになかったので、/usr/lib/libncurses.so.1 を libcurses.so.1 に ln -s したらとりあえず mule は起動できました。 Red Hat 4.0 と JE-0.9.8a の組み合わせでは、(私のところでは)このような不具合 は起きていません。 また、ライブラリを持ってくる場合は、なるべく rpm 化されたものを使うようにし ないと Red Hat の長所が減殺されてしまいます。 4-8 fvwm95 が Windows95 と同じにならない。 Microsoft社からクレームが出ないように、意図的に変えているのだと思います。私 は、以下のように /etc/X11/TheNextLevel/ の中にある.fvwm2rc.defines ・.fvwm2rc.buttons を (ホームディレクトリにコピーした後)変更して対応しまし た。 1 .fvwm2rc.defines の変更 # Uncomment this if you want to use Win95-like buttons # you don't need to uncomment this if you're using Fvwm95 # I'd suggest switching TITLE_STYLE to `LeftJustified Flat' if you use # WIN95_BUTTONS, as they themselves are flat # define(`WIN95_BUTTONS') define(`WIN95_BUTTONS') # Uncomment this to get a Win95-like close "x" button at the far right of # the title bar # Leave commented if you find that it's too easy to click by accident # define(`WANT_DELETE_BUTTON') define(`WANT_DELETE_BUTTON') 2 .fvwm2rc.buttons の変更 ifdef(`WIN95_BUTTONS',` # Leftmost # DefineLeftButton(win95-sysmenu-full.xpm,`Function DECORATIONS_CLOSE-or- Popup') DefineLeftButton(mini-x2.xpm,`Function DECORATIONS_CLOSE-or-Popup') コントロールボックスみたいになってしまう こうすれば、一応ここには X と表示される 最大化ボタンも同じにならないと気に入らない方は、以下の部分も変えてください 。 # DefineRightButton(win95-maximize-full.xpm,`TallMaximize') DefineRightButton(win95-maximize-full.xpm,`Maximize') この方法は簡単ですが、タイトルバーアイコンまでがボタンと化してしまう欠点が あります。もっと良い方法がありましたら教えてください。 4-9 Network 設定画面が起動できない。 うまく設定できると Windows95 より使い勝手の良い GUI なのですが、誤った内容 で設定すると、金輪際起動しなくなるようです。 慌てず /etc/sysconfig/network-scripts/ をチェックしてください。 設定内容は、ifcfg-pppN と chat-pppN (N:0,1,2,...) の中に記録されています。 原因となった(最後に触った) pppN に対応する上記のファイルを削除すれば直りま す。 4-10 特定のプロバイダに接続できない。 他のプロバイダには接続でき、設定も誤っていないなら、おそらく認証方式の違い でしょう。 この場合は、/etc/sysconfig/network-scripts/ 内の ifup-ppp にも変更が必要で す。 PAP の場合の変更例 while : ; do (logger -p daemon.info -t ifup-ppp \ "pppd started for $DEVICE on $MODEMPORT at $LINESPEED" &)& # /usr/sbin/pppd -detach $opts $MODEMPORT $LINESPEED \ # ホームディレクトリ内の PAP秘密ファイル(~/ppp/pap-secrets)を参照するように 変更 /usr/sbin/pppd -detach $opts $MODEMPORT $LINESPEED +ua ~/ppp/pap-secrets \ connect "/usr/sbin/chat -f /etc/sysconfig/network-scripts/chat-$DEVICE" if [ "$PERSIST" != "yes" ] ; then exit 0 fi # FIXME: tunable parameter sleep 30 || { # sleep was killed exit 0 } done なお、PAP秘密ファイルは、/etc/ppp/pap-secrets のようなコメント付きでなく、 以下のようなシンプルな書式が良いようです。 MyLoginName MyPassWord