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                              ようこそFIPSへ
        The First nondestructive Interactive Partition Splitting program

                                Version 1.1
                                1994年5月25日

                     Copyright 1993/94 by Arno Schaefer


0. FIPS 使用に必要なもの
1. はじめに
2. 安全性
3. 制限事項
4. はじめるまえに
5. Stacker/SuperStor/Doublespace での使用
6. OS/2 での使用
7. マルチタスク OS での使用
8. FIPS の使い方
9. パーティションを分割した後に
10. コマンドライン・スイッチ
11. トラブルシューティング
12. クレジット

FIPS はパーティション上のデータを消すことなく,存在する DOS パーティションを
分割するようにデザインされたプログラムです。

FIPS はフリーソフトウェアです;あなたは Free Software Foundation による GNU 
General Public License に従ってそれを修正したり,再配布できます;バージョン
2や(あなたのオプションによる)これ以降のすべてのバージョンにおいてもです。

FIPS は便利であろうことを望んで配布されていますが「無保証」です;「商用」や
「特定の目的の為に適応」が含まれた保証さえ除いています。さらなる詳細は GNU G
eneral Public License を参照してください。

FIPS に沿って GNU General Public License を手に入れているべきです;COPYING 
ファイルを参照して下さい。そうでなければ,the Free Software Foundation, 675 
Mass Ave, Cambridge, MA 02139, USA に手紙を書きましょう。

問題の報告と直接の全ての質問は:

    schaefer@rbg.informatik.th-darmstadt.de


0. FIPS 使用に必要なもの

ハードディスクの最初の方に全てのデータを移動するためのフラグメンテーション解
消プログラムが必要です。FIPS はディスクの最後に充分な空き領域があるときだけ
パーティション分割するでしょう。 DOS 6.0 以降にはDEFRAG プログラムがあり,こ
れはこの目的に適用可能です。その他適用出来るプログラムとしては,Norton Speed
disk(実は DEFRAG は Norton からライセンスを受けた機能限定版 Speeddisk です
),PCTool's Compress ,Novell DOS7 の DISKOPT ,シェアウェアとして ORG ,DO
G ,SAFPAK(anonymous FTP によるどこかの SIMTEL ミラーの diskutl ディレクト
リから入手可)があります。
しかしこれらはテストしてませんので,動作しなくても私に不平を言わないでください。

また FIPS を使用する前後でハードディスクをチェックするのに Norton Disk Docto
r(または DOS 6.2 に付属の 'scandisk')のようなプログラムを使用してもよいで
しょう。

FIPS は DOS 5.0 の元で開発されました。3.0 以上であれば問題ないですし,多分 2
.0 であっても動くでしょう。しかし大きなパーティションサイズは DOS 4 からのみ
可能ですので,古いバージョンの DOS では余り役にたたないでしょう。今まで DOS 
6.0 と 6.2 での使用が報告されていますし,Novell DOS7 でも可動するようです。


1. はじめに

このプログラムは Linux プロジェクトに触発されました。DOS や Windows を使用し
ている PC に Linux をインストールするとき,多くの人々は DOS のソフトウェアの
ために小さなパーティションを温存したいでしょう。しかし,ほとんどのハードディ
スクはたった一個の大きなパーティションを含むため,通常完璧にバックアップする
ことを要求され,そのパーティションを消し,2つ(以上)の新しいパーティション
を造るでしょう。その後,新しいパーティションのうちの1つにバックアップから再
格納するでしょう。
これは大変な時間の浪費であり,たくさんのディスケットを要求します。(いったん
バックアップし,HD に元に戻すためだけに50枚以上ものディスクを買うなんて?)
FIPS はこの問題に対処するために書かれました。これで新しいパーティションのた
めに古いパーティションの後ろに充分な空き領域を持つなら,データを失うことなく
パーティションを分割することが出来ます。


2. 安全性

FIPS は最大限の安全を準備することを特別にデザインされました。スタートアップ
時にパーティションテーブル,ブートセクタそして FAT の一貫性をチェックします。
もし疑わしい点を発見したら,それを報告するでしょう。もしエラーがあれば,FIPS
は動作しないでしょう。
実行の前にルートとブートセクタのバックアップコピーをフロッピーにとることで万
一に備えます。何かうまく行かないなら,'restorrb.exe' プログラムを使用してそ
れらを元に戻せます。(セクション 4 参照)
新パーティションの開始シリンダを入力した後,FIPS は新パーティションが本当に
空かどうか以前の FAT を診ることによってチェックします。空でなければ,FIPS は
停止するでしょう。
新パーティションテーブルとブートセクタを処理した後,FIPS は再びそれらをチェ
ックするので,処理中にいつかは起こりうるバグは探査されるでしょう。
全てOKのときのみ,FIPS は新しいルートとブートセクタを書いても良いか尋ねてきます。


3. 制限事項

FIPS は 低レベルのハードディスクアクセスのためのインターラプト 13h を使って
いる Hard Disk BIOS だけで動作するでしょう。実際には全ての PC に真であると思
います。

FIPS は 512 バイトのセクタのディスクだけで動作します。
DOS は色々なセクタサイズを扱えるようですが,広く使用されてないので,サポート
しない事にしました。

FIPS は 12 ビット FAT のパーティションを分割しません。(10MB 以下のパーティ
ションを分割したくはないでしょう?)

FIPS は DOS のパーティションだけを分割します。パーティションテーブルとブート
セクタは MSDOS 3.0 以上の慣例に従っているはずです。これはパーティションテー
ブル内のシステム・インジケータ・バイトによってマークされています。それは4(
16bit セクタ番号)または6(32bit セクタ番号)の値を持っているはずです。
とりわけ Linux パーティションの分割はしません。

FIPS は拡張 DOS パーティション上ではまだ動作しません。

FIPS はもし既に4つのパーティションがあれば動作しないでしょう。なぜなら1つ
の空きパーティション・エントリを必要とするからです。

FIPS はオリジナルのパーティションを 4085 クラスタ以下のサイズに小さくしませ
ん。なぜならこれは 16bit FAT を 12bit FAT に書き直すのを意味しているからです。


4. はじめるまえに

CHKDSK または(DOS 6.2 以前の)SCANDISK を分割したいパーティションに対して走
らせましょう。もし Nortton Disk Doctor または似たような何かを持っているなら
,二者択一で使用可能です。ディスク上に「デッド」クラスタが無い事を確認します。

ドライブAにブート用フロッピーを用意します。DOS では通常,コマンド 'sys a:' 
または 'format a:/s' で作られます。WindowsNT や OS/2 では異なっている可能性
があります。疑わしいならマニュアルをチェックすべきです。

FIPS ファイル - RESTORRB.EXE , FIPS.EXE , ERRORS.TXT - をこのディスクにコピ
ーします。

用意したフロッピーでブートのテストをしましょう。もしフロッピーからブートでき
なかったり,ブート後にハードディスクにアクセスできないならマニュアルを読むか
近くの指導者に尋ねてください(これはコマンド 'dir c:' でテストします。ハード
ディスクのルートディレクトリが見えるはずです)。

FIPS を始めると(後でね!),ルートとブートセクタのコピーをドライブAの中に 
ROOTBOOT.00x(x は 0 〜 9 までの数字)というファイルでバックアップをとる機会
を与えられます。もし FIPS を使用している間で何か異常があれば,フロッピーから
ブートし,RESTORRB を走らせることによってオリジナルの設定に戻すことが出来ま
す。注意してください:もし一回以上 FIPS を使うと(普通この必要はないですが起
こりえます),一つ以上の ROOTBOOT ファイルがフロッピーに書かれます。RESTORRB
はどの設定ファイルを戻すのか選択するよう訊いてきます。RESTORRB.000 はオリジ
ナルの設定を収録しています。バージョンを勘違いしないようにしましょう。

しかし FIPS の開始の前にハードディスクのフラグメント解消を「しなければなりま
せん」。新パーティションのために使われるであろう全ての領域は,空き領域でなけ
ればなりません。Windows Swapfile はほとんどのフラグメンテーション解消プログ
ラムでは移動されないことに気付いてください。それを(Windows Control Panel の
386enhanced で)外して,FIPS の使用後に再設定しなくてはなりません。
もし IMAGE や MIRROR を使っているなら,ハードディスクの最後のセクタが mirror
ファイルへのポインタと共に隠しファイルを収録しています。FIPS を使用する前に
このファイルを消さなくてはなりません。(それは次回 mirror を走らせた時に再作
成されるでしょう)
'attrib -r -s -h image.idx' または 'attrib -r -s -h mirorsav.fil' をルートデ
ィレクトリで行い,そのファイルを消しましょう。
もし FIPS が期待している分の新パーティションの作成用のディスク空間を提供しな
いなら,これは以下を意味している可能性がある。

a. まだ現在のパーティションにデータが残りすぎている。新パーティションを小さ
くするか
   いくつかのデータを削除するか考えましょう。

b. 新パーティション内にフラグメンテーション解消プログラムで移動しない隠しフ
ァイルが
   ある。それらがどのプログラムに従しているか確認しましょう。あるプログラム
のスワ
   ップファイル(例えば NDOS)なら安全に削除可能です(そして必要となったとき
に自動
   的に作成されます)。詳細はマニュアルを参照すること。
   
   もしそのファイルがコピープロテクションの幾つかの種類に属するなら,それに
関連する
   プログラムをインストールから外して,パーティション分割が終わってから再イ
ンストー
   ルしなくてはなりません。
   
   これ以上ここで援助はできません−もし本当に何をして良いか判らないなら,直接私
   に連絡してください。
   
注意! もし DOS 5.0 以前のバージョンを使用しているなら,DOS の隠しファイル
(ibmbio.com と ibmdos.com または似たようなファイル)を「移動しないように」
。ハードディスクが以後ブートしなくなるでしょう。これらのファイルはすでにパー
ティションの最初のセクタに入っているから,移動する必要はないのです。

パーティション・テーブル内の DOS パーティションの位置が変わってるかもしれな
い事に気付いて欲しい。新パーティションを DOS で使い,なおかつ拡張されたパー
ティションもしくは2個のドライブを持つなら,これはパーティションの名前が変わ
る可能性を意味しています。(例えば D: は E: になる)C: は常に C: のままにな
るよう気を配りましたから,同じようにブート出来るでしょう。

Linux ユーザの方々へ:
これは Linux 下の DOS のパーティション番号が変わる可能性も意味しています(/d
ev/hda3 は /dev/hda1 になる可能性がある)。存在しているどの Linux パーティシ
ョンにも変化はないので,ブートのトラブルはないでしょう。もしブートアップ時に
DOS パーティションをマウントしてたら /etc/fstab ファイルを修正する必要がある
だけです。


5. Stacker/SuperStor/Doublespace での使用

以下の手順で Stacker 上で動作していると報告を受けていますし,また他のプログ
ラムで動作している可能性もあります。私はこれらのプログラムを使用していないの
で,このことを確認できません。

a. 圧縮されたパーティション上で分割するための充分な空間があるか確認します。
b. 圧縮ソフトウェアに付随するチェックディスクプログラムを使用します。
c. Windows のスワップファイル(があれば,それ)を削除します。
d. 圧縮ソフトウェアに付随するユーティリティを使用して圧縮されたボリュームの
サイズを減少させます。
e. 圧縮デバイスドライバを抜いてブートします。
f. 新パーティションに対してどのくらいの空間が使用可能なのか知るためにディレ
クトリのリストを見ます。
i. 後述するように FIPS を使用します。

圧縮されたボリュームにフラグメントがあれば,FIPS は新パーティションに対して
ディレクトリリストで見えるのと同じ量の空間は提供しないでしょう。これが起こる
ことを期待していませんし,通常圧縮されたボリュームは連続したセクタの1つのブ
ロックであるべきです。しかしもしそれが発生したら,以下のステップを追加すべき
でしょう。

g. 圧縮ボリュームから隠れていて,読み込み専用のシステム・アトリビュートを削
除します。
h. そのパーティションのフラグメント解消を行います。
j. 圧縮ボリュームに隠れていて,読み込み専用のシステム・アトリビュートを再セ
ットします。

この手順で動くかどうか私に知らせて欲しいのです。そうすれば,のちのリリースに
この情報を含めることが出来ます。どんな場合でも,自分の責任で使って下さい。


6. OS/2 での使用

FIPS は OS/2 では特にデュアルブート機能を扱うところで問題を抱えていることが
知られています。これは OS/2 はデュアルブートがブートセクタのコピーを2つ使用
するという事実にある程度拠っています−もしたった1つのコピーが FIPS によって
変えられたら,OS/2 は多分動かないでしょう。
しかしこれを配慮してさえ,何人かの人たちは OS/2 のおかしなエラーメッセージを
報告しています。もし FIPS を試したいなら,FIPS で何らかの変更を行う前にルー
トとブートセクタをフロッピーにセーブするのを確認して下さい。もしかしたら,

 1. パーティションからデュアルブートを削除。
 2. ブート用フロッピーディスクからブート。
 3. FIPS を実行。(FIPS にルートとブートセクタをフロッピーにセーブさせたのを
確認)
 4. リブートし,DOS 下で全てがOKかどうかチェック。
 5. OS/2 インストレーション・ディスクからブートし,デュアルブートを再インス
トール。
 6. OS/2 をブートし,全てが期待したとおりに動いているかどうか確認。

すれば FIPS は動くかもしれません。
もし 5. が実行しない(OS/2 が 'hardware error' や類似の不平をいう)なら,FIP
S が作成した変更をアンドゥするために RESTORRB を使い,再びリブートし,デュア
ルブートを再インストールしましょう。

長いこと OS/2 が何について不平をいうのか判りませんでした。OS/2 を使っていな
いから,ユーザの報告に頼る必要があります。もしデュアルブートで FIPS を試すな
ら,それについて聞きたいのです。どんな情報も,たとえ単に「動いた」とか「動か
なかった」であっても,歓迎します。もし問題が何であるというような考えや何か技
術的情報を持っているなら,どうか私にそれを聞かせて下さい。

OS/2 ブートマネージャーについて何も報告を受けていません−FIPS がそれを使用し
て動くかどうか知りません。繰り返します:もし FIPS を試したいなら,ブートマネ
ージャーが FIPS を好まないのに備えてルートとブートセクタをフロッピーに退避す
ることを確認して下さい。


7. マルチタスク OS での使用

OS/2 や Desqview, Windows, Novell Task Manager, Linux DOS Emulator のような
マルチタスク環境で FIPS を使うべきではありません。これらのシステムは FIPS が
ハードディスクの構造を変更した後でもなおディスクへ書き込む可能性があり,腐敗
しているディスクへ答えを返す可能性があります。これは必ずしもそうなる訳ではあ
りませんし,だとしても多くの場合動作するだろうと推測します。しかし安全性は F
IPS において一番の配慮ですから,DOS ブートディスクから起ちあげ,その後に FIP
S を走らせることをお奨めいたします。安全であるべきです。
バージョン 1.0 で Dave McCaldon による Windows と Desqview を検出するための
いくらかのコードを追加しました(ありがとう Dave !)。OS/2 と Novell Task Ma
nager は,まだ検出されません。Linux DOS emulator を検出するためのコードを削
除しなければならなかったのは,多くのマシンでハングアップを引き起こしたからです。


8. FIPS の使い方

もしセクション 4 で記述したようなブート用フロッピーディスクを準備したなら,
ではそこからブートしましょう。

DOS プロンプトから FIPS とタイピングして,<ENTER> を打って FIPS をスタートし
ます。
いつでも <CTRL-C> を入力することによってプログラムから抜けられます。

FIPS は最初どの OS 上で走っているかを検査してみるでしょう。もし Windows か D
esqview なら,文句を言いフロッピーディスクからブートするように言ってくるでし
ょう。それにも関わらず次に進むことが出来ますが,これはあなた自身の責任です(
セクション 7 参照)。

次に FIPS はハードディスクを検査するでしょう。もし1つ以上あるときは,どのデ
ィスク上で動作させたいか訊いてくるでしょう。
以前のリリースでは,FIPS はある BIOS を使用しているハードディスクの正しい番
号の検査に失敗しました(例えば Gateway Pentium 機)。これを修正できたと信じ
ています。もし FIPS が正しいディスクの番号を調査するのに失敗するなら,どうか
私に教えていただきたい。その間,手でドライブを選択するために '-d' スイッチを
使用可能です(以下参照)

そして FIPS はハードディスクのルートセクタを読み,パーティションテーブルを表
示します。

例:

     |        |     Start      |      |      End       | Start  |Number of|
Part.|bootable|Head Cyl. Sector|System|Head Cyl. Sector| Sector |Sectors  |  MB
-----+--------+----------------+------+----------------+--------+---------+----
1    |    yes |   0  148      1|   83h|  15  295     63|  149184|   149184|  72
2    |     no |   1    0      1|   06h|  15  139     63|      63|   141057|  68
3    |     no |   0  140      1|   06h|  15  147     63|  141120|     8064|   3
4    |     no |   0    0      0|   00h|   0    0      0|       0|        0|   0

もしこれが何から出来ているか知らなくても,そんなに心配しないでください。パー
ティションを特定するためにメガバイト数を使用するだけです。

次にルートセクタがエラーかどうかチェックされます。

もしディスクに1つ以上のパーティションがあるなら,どれを分割したいか訊かれる
でしょう。
選択されたパーティションのブートセクタが読まれ,いくつかの情報が表示されます。

例:

Bytes per sector: 512
Sectors per cluster: 8
Reserved sectors: 1
Number of FATs: 2
Number of rootdirectory entries: 512
Number of sectors (short): 0
Media descriptor byte: f8h
Sectors per FAT: 145
Sectors per track: 63
Drive heads: 16
Hidden sectors: 63
Number of sectors (long): 141057
Physical drive number: 80h
Signature: 29h


FIPS はこの情報がパーティションテーブルとつじつまがあっているかどうかチェッ
クし,他のエラーの検査をこころみます。

次に FAT の2つのコピーが同一かどうか確認し,もし違っていれば,FIPS はエラー
メッセージとともに終了するでしょう。

もし全てチェックOKなら,そのとき FIPS はパーティションの最後に空き領域を探
します。新パーティションは少なくとも1シリンダを持っていなければならないので
,もし最後のシリンダがフリーでなければ,パーティション分割のチャンスはありま
せん:FIPS はエラーメッセージと共に終了するでしょう。おおかた mirror や imag
e ファイルを消し忘れているでしょう(上記参照)。

さてどのシリンダから新パーティションが始まるべきなのか入力しなければなりません。
シリンダ数の増減に右と左のカーソルキーを使用します。これまでのパーティション
と新パーティションのサイズが実行中に表示されるので,正しいシリンダ選択に間違
いを起こさないでしょう。上下カーソルで 10 のステップでカウントを変更すること
ができます。準備ができたら,次に進むために enter を押します。

FIPS は新パーティションのための空間が空かどうか再びチェックするでしょう−こ
れは追加のセキュリティ計測であり,エラーを絶対見せるべきではない。なぜなら以
前空き領域が既に決定されているからです。

このあと FIPS はルートセクタへの変更を処理し,変更をチェックし,新パーティシ
ョンテーブルを表示するでしょう。そしてパーティションテーブルを再編集するか(
これはパーティションを選んだところまで戻ります)続行するかを選択することが可
能です。もし 'c' とタイプしたなら,FIPS は変更されたブートセレクタを処理し,
再びチェックし,続行したいかどうかプロムプトを出力するでしょう。次にもし 'y'
と打ったなら,FIPS は変更をディスクに書き込み,終了するでしょう。


9. パーティションを分割した後に

新パーティションは最初の再起動後 DOS によって認識されるでしょう。再起動する
前に config.sys と autoexec.bat 内にディスクに書き込む全てのプログラムが使用
不可になっているか確認しましょう。一番いいのは,これら2つのファイルをリネー
ムするか,フロッピーからブートすることです。特に MIRROR や IMAGE は使用不可
になっているべきです。
再起動後,古い(今や小さい)パーティションがOKか確認するために CHKDSK や N
orton Disk Doctor 使用しましょう。もしなにもエラーが無かったら,もう普通の c
onfig.sys と autoexec.bat で再起動してもよいです。プログラムをいくつか起動し
,ちゃんとデータが読めるか確認しましょう。

もし新パーティションを DOS で使いたいなら,フォーマットする必要があります。
もし複数のパーティションがあるなら,正しいものをフォーマットしているか確認し
ましょう,ドライブ名が変更されている可能性があります!
もし新パーティションを Linux で使いたいなら,今なら Linux の fdisk でシステ
ムインジケータバイトを変更可能です。そのあと MKFS を使いましょう。

もし新パーティションを2つに再分割したいなら,最初にそれを DOS でフォーマッ
トしなければならないか,さもなくば FIPS は文句を言うでしょう(btw まだ新パー
ティションは何もデータを含んでないので,それを削除するために fdisk を使用し
,2つの新しいものを作成する方がよいでしょう)。


10. コマンドライン・スイッチ

ここでは FIPS のコマンドライン・スイッチの説明をします。もし DOS スタイルが
好みなら,スイッチ文字として '/' を '-' の代わりに使用可能です。スイッチは自
由に組み合わせることが可能です。スイッチのリストが得るために 'FIPS -help' と
タイプしましょう。
ここではもっと詳細な説明をします:

-t または -test:テストモード(ディスクに書き込みません)

これは多くの説明を必要としないでしょう。

-d または -debug:デバッグモード

このモードでは,いくつかの追加情報と一緒にセッションの完全なトランスクリプト
がカレントディレクトリ内の FIPSINFO.DBG ファイルに書かれます。
トラブルのとき,このファイルを私に送ることが出来ます(以後を参照)。
このスイッチは -d<num> スイッチと干渉しません。

-h または -help または -?:ヘルプページ

スイッチの短い説明。

-d<num>:ドライブ <num> の選択

このスイッチでドライブ番号を前もって選択します。有効な数字は 128 から 255 で
す。またこれは自動ドライブ検出の回避に慣れているようです−もし何らかの理由で
ドライブが FIPS によって発見されないなら,このスイッチを試すとよいです。

-p<num>:パーティション <num> の選択

(1-4) のパーティション番号を前もって選択します。妥当なパーティションだけ受け
付けます。

-c<num>:新規開始シリンダ=<num>

新規開始シリンダを前もって選択します−妥当なシリンダのみ受け付けます。

-omb:'More than one bootable Partition' の回避

1つ以上のブート可能なパーティションがあることについて文句を言わないいくつか
のブートプログラムがあります−それらは最初のパーティションを使うだけでしょう
。もしルートセクタの中にそのようなプログラムがあり普通に PC がブートするなら
,そのエラーメッセージをスキップするためにこのスイッチを使用可能です。しかし
ながら適当なプログラムを持っているなら,悪いフラグを削除することをお奨めします。

-obg:'Invalid bootable-flag' の回避

ブート可能フラグとブートプログラムを変更することによって理論的には2番目のハ
ードドライブからブートすることが可能です。もしそのような設定を偶然持っている
なら,そのエラーメッセージをスキップするためにこのスイッチを使用します。

-ore:'Number of Rootdir entries must be multiple of 16'の回避

Rootdir エントリーの不正な番号は DOS によって受け取られます。もしそのエント
リーを選ぶことが他に意味を持たないなら,そのエラーメッセージをスキップするた
めにこのスイッチを使用します。

-olf:'FAT too large' の回避

セクタ/FAT 番号は2バイトの数ですから,理論的には 65535 セクタ/FAT を上限
に持つことが可能です。これは DOS によって受け取られますが,256 個のセクタを
もつ FAT が最大限ですから,256 以上の数字は使われません。

-osf:'FAT too small' の回避

パーティション内のクラスタ番号が FAT 内にエントリより多かったら,DOS はパー
ティションの一部だけを使います。このパーティションで「非常に」悪い何かが去っ
てしまいますが,全ては失われません−このスイッチを使用し,新パーティションを
大体調整できるサイズへ戻しましょう。

-omd:'Wrong Media Descriptor Byte in FAT/Bootsector' の回避

メディア・ディスクリプタ・バイトはハードディスクにとって F8h であるべきです
が,FCh のような他の値は DOS によって受け取られます(たぶんリムーバブル・メ
ディアのために使用されている?)ので,そのエラーメッセージをこのスイッチによ
って回避出来ます。


11. トラブルシューティング

たくさんの人たちに成功と致命的な問題なしに使用されてきましたが,FIPS はまだ
多少試作段階です。疑わしいとき安全にとどまることといかがわしい設定に出会った
ときエラーメッセージを表示することをいつも決めました。いくつかのマイナーなエ
ラーのために回避するスイッチを追加しました(セクション 10 参照)
もしあなた自身で問題が解決できないなら,あるいは FIPS によってサポートされて
いない設定があるなら,あるいはもし FIPS にバグが怪しまれるなら,-d スイッチ
をつかってセッションのトランスクリプトを作成し,短いコメントを添えて schaefe
r@rbg.informatik.th-darmstadt.de に FIPSINFO.DBG を送って下さい。ひょっとす
るとあなたの問題はすでに解決されているでしょう。


12. クレジット

FIPS は Linux digest 132 の中で Drew Eckhardt によって書かれたプロセジャをも
とにしています。
ハードディスク構造に関するほとんどの知識は Claus Brod と Anton Stepper によ
るドイツのすばらしい書籍 'Scheibenkleister ll' から来ています。Atari ST 用で
すが,PC への適用も役に立たない訳ではありません。
ハードディスクインターラプトの情報は Ralf Brown's Interruput List から描かれ
ました。いくらかの役に立つ情報にたいして Hamish Coleman に,良い提言に対して
Paul Smith に感謝します。Gunnar Hilmarsson は stacked drive にたいしてプロセ
ジャの提言をしてくれましたし,Miguel Alvarez はパーティションの順番の改善を
助けてくれました。Chetan Patil, Pand Phares そして Eric Jung はプログラムと
ドキュメントのバグを指摘してくれました。Stefan Andreasen は OS/2 の重要な情
報に備えてくれました。
Keith Crews はブートディスクの準備と DOS 6.x の新機能に関してドキュメントに
いくらかの追加を指摘してくれました。Dave McCaldon は FIPS がどの OS 下で走っ
ているかを探査するコードを書いてくれました。
フィードバックを送ってくれた他の全ての方々に感謝します。


Arno Schaefer
schaefer@rbg.informatik.th-darmstadt.de


和訳 深津幸司(fukatsu@nagoya.caelum.co.jp)
この文章のなかの 私 とは FIPS の作者 Arno Schaefer 氏の事です。この和訳の
文章によるいかなる損害の責任も深津は負いません。またどこで公開しても,どのよ
うに変更していただいても結構ですが,誤訳,誤字,脱字を発見したら教えてくださ
い。修正します。
お役に立つことを祈っています。

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