今までに DOS と Linux でのファイルの違いについて見てきました。ディレク トリについても、DOS ではルートディレクトリは \ なのに対して、Linux で は / です。同様に、DOS では複数のディレクトリは \ で区切りますが、 Linux では / で区切ります。ファイルのパスの例を見てみましょう。
DOS: C:\PAPERS\GEOLOGY\MID_EOC.TEX
Linux: /home/guido/papers/geology/mid_eocene.tex
通常、.. は親ディレクトリを示します。. は自分の今い
るディレクトリです。どこでも自由に cd したり rd した
り md したりできるわけではないことをお忘れなく。システムにロ
グインすると各ユーザはシステムの管理者があらかじめ用意している各自の
「ホーム」ディレクトリに入ります。例えば、私の PC では、私のホームディ
レクトリには /home/guido です。
ディレクトリにも各種の許可属性があります。
許可属性の章で見た「所有者」、「グループ」、「その他ユーザ」という区
分はディレクトリにも同様にあてはまります。ディレクトリの場合、
rx はそのディレクトリに cd できることを意味し、
w はそのディレクトリにあるファイル、あるいはディレクトリ自身
を削除できることを意味します(実際にファイルを削除できるかどうかは、そ
のファイル自身の許可属性によって決まることは言うまでもありません)。
例えば、他のユーザが /home/guido/text ディレクトリを覗けない
ようにするには
$ chmod o-rwx /home/guido/text
とします。
DOS Linux
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DIR : ls, find, du
CD : cd, pwd
MD : mkdir
RD : rmdir
DELTREE : rm -R
MOVE : mv
いくつか例をしめします。
DOS Linux
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C:\GUIDO>dir $ ls
C:\GUIDO>dir file.txt $ ls file.txt
C:\GUIDO>dir *.h *.c $ ls *.h *.c
C:\GUIDO>dir/p $ ls | more
C:\GUIDO>dir/a $ ls -l
C:\GUIDO>dir *.tmp /s $ find / -name "*.tmp"
C:\GUIDO>cd $ pwd
ありません。下の「注意」を参照 $ cd
同上 $ cd ~
同上 $ cd ~/temp
C:\GUIDO>cd \other $ cd /other
C:\GUIDO>cd ..\temp\trash $ cd ../temp/trash
C:\GUIDO>md newprogs $ mkdir newprogs
C:\GUIDO>move prog .. $ mv prog ..
C:\GUIDO>md \progs\turbo $ mkdir /progs/turbo
C:\GUIDO>deltree temp\trash $ rm -R temp/trash
C:\GUIDO>rd newprogs $ rmdir newprogs
C:\GUIDO>rd \progs\turbo $ rmdir /progs/turbo
注意:
rmdir する際には、そのディレクトリは空でなければいけま
せん。ディレクトリをその中身ごと削除する場合、 rm -R を使いま
す(自分の責任で実行してください)。
~)キャラクタはホームディレクトリを示しま
す。引数を指定しない cd や cd ~ すると、どこにいよう
と、自分のホームディレクトリに移動します。cd ~/tmp は
/home/your_home/tmp へ移動します。
cd - は直前までいたディレクトリに戻ります。