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The Linux DOS-Win95-OS2-Linux Mini-HOWTO
Mike Harlan, r3mdh@imperium.net
v1.3, 23 JUL 1997

日本語訳:中谷千絵 jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp
1996/05/22 (v1.0, 06 MAR 1996)
1997/08/06 (v1.3, 23 JUL 1997)


1996 年 6 月の v1.2 から変更箇所がたくさんあります!
____________________________________________________________________________
Disclaimer:  Any damages inflicted on any machine by you as a result of
             your reading of this HOWTO is still YOUR FAULT.  When you read
             about deleting partitions and formatting disks, be smart.
             Realize that doing any of the above will result in loss of data.
             So, BACKUP SOON, BACKUP OFTEN.  This is your second-to-the-last
             warning.
============================================================================

免責事項:
  この HOWTO を参照したことで、あなたのマシンに何らか損害ががあっても、
それはあなたの責任です。区画削除やデイスクのフォーマットについては、と
りわけ慎重に、あなたが首尾よくやらないといけません。区画削除等のことを
実行して、データが失われることがあるかもしれません。今すぐにでもバック
アップをしましょう。そして、頻繁にバックアップしましょう。警告はこれで
おしまい。

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If you have any questions, please contact Greg Hankins, the Linux HOWTO
coordinator, at gregh@sunsite.unc.edu</a> via email, or at +1 404 853
9989.

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いますから、どのような媒体や電子ファイルででも、全文、あるいは部分的に
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のアドレスのLinux HOWTOのコーディネーターと連絡を取ってください。

  可能な限りさまざまなルートを通して、このようなことを広く知らせたいわ
けですが、要するに、HOWTO 文書は著作権を保持した形で配布したいというこ
とです。

  何か質問があれは、Linux HOWTO のコーディネーターである Greg
Hankins 氏に電子メール gregh@sunsite.unc.edu via email, または
電話 +1 404 853 9989 に連絡を取ってください。


v1.0 からの最新版です。 
私の e-mail アドレスも新しくなりました。
私のアドレスは r3mdh@dax.cc.uakron.edu(旧) から
r3mdh@imperium.net(新)に変更しました。



さあ、始めましょう。
  苦心と失意の日々を繰り返して、私はついに自分の望み通りにする方法を完
成させることが出来ました。私は 1.2GB のハードディスクと、16MB の RAM 
を持つコンピューターを使用しています。私はこのマシンで、MSDOS v6.22,
Windows 95, OS/2,Linux の4種類の OS を使う方法を工夫しました。

  しかし、私はこれまで、1台のマシン上でこれらの OS のそれぞれが、おの
おのの仕事をきちんとこなしてくれて、さらに、それぞれのパーティションを
すべて始動可能する方法を報告している Linux HOWTO を見たことがありませ
ん。もちろんそれぞれ異なったパーティションに複数の OS を置くことは可能
ですが、私が工夫した方法というのは、たとえば、"Starting MSDOS" のよう
なメッセージでハングアップすることなく、それぞれを始動可能にするという
方法です。

  このことを実現させるために、私は思いつく限りの試みをやってみました。
以下に1つのハードディスクに、4種類の OS のためのパーティションを確保
し、手順よくインストールし、そのそれぞれを始動可能にする取っておきの方
法をお見せしましょう。

手順通り着実に行う前に、最終的に私が完成したいことについて始めにまとめ
ておきます。

<NAME>                      <SIZE>   <LABEL>  <PARTITION NUMBER>
---------------------------------------------------------------------
MSDOS v6.22                   11MB   P1       基本パーティション 1
---------------------------------------------------------------------
Windows '95                  350MB   P2       基本パーティション 2
---------------------------------------------------------------------
OS/2 ブートマネジャー          2MB   P3       基本パーティション 3
---------------------------------------------------------------------
DOS/Win Data                 511MB   E1       基本パーティション 4
OS/2 Warp 3.0                127MB   E2       論理拡張パーティション 4
Linux Slakware 3.2 Swap        XMB   E3       ドライブ (サブパーティション)
Linux Slakware 3.2 Native  219-XMB   E4        E1-E4 と命名
---------------------------------------------------------------------

  この表にはどういう意味があるのですか?って。はい、ではこの表を見なが
ら、お話ししましょう。まず、私たちは1つのハードドライブに全部で4のパー
ティションを作成しなくてはいけません。パーティション 1 から 3 は基本パー
ティションです。これらのそれぞれのパーティションに、MSDOS、 Win95 そし
て OS/2 の Boot Manager(効率は悪いですが、それ自身のパーティションを必
要とします) を置きます。その状態で1つのパーティションを残しておきます。
しかし、私たちは DOS と Win95 のデータ用に、そして、OS/2 と Linux のた
めにもドライブを持ちたいのです。Linux swap パーティションのためにはも
ちろん Linux native 用もドライブが必要です。DOS と Win95 のためのデー
タドライブは Win95 のプログラムや Win95 のパーティションに十分な場所が
ないデータを保存する場所としてもちろん必要ですが、インターネットから頻
繁にダウンロードする ZIP ファイルの山のためにも大きな場所になります。

  ところで、なぜ私が Win95 のためのパーティションと DOS のためにひとつ、
そして Win95 と DOS データのためにそれぞれひとつづつ独立したパーティショ
ンを作成しているかについて、最近頂く e-mail を読んで悩みが増えています。
すべての人が Win95 と DOS のパーティションを別々に持っているとは限らな
いというのが私の答えです。ある人たちはたぶんもう DOS を使っていないの
でしょう。そして Microsoft 社製品対応に書かれたどんなソフトウェアも 
Windows '95 があればたぶん間に合うのでしょう。

  それでもまだ DOS を使う人や DOS なしには生きていけない人もいるのです
よね。DOS は 16 ビットアプリケーションをより早くもっと効果的に動かすこ
とができますし、あるいは Window の環境のもとでは動かないある種の DOS 
プログラム( プログラムをセットアップする Gravis Ultrasound のサウンド
カードのことが頭に浮かびます)を使うかもしれないとか、時々 DOS を起動で
きなければならないなどの理由のため DOS を使うのです。あなたがこの 
HOWTO のなかに "MSDOS" という言葉が含まれているのに納得できないなら、
腰を落ち着けて Linux-Win95-OS/2 だけの HOWTO を書きましょう。

  さて、上記の表に戻りましょう。先に述べたように、私たちは DOS とWin 
のデータ、OS/2, そして、 Linux native と swap 領域の4つのものを1つの
パーティションに詰め込まなくてはいけません。これは1つの基本パーティショ
ンのなかに、論理ドライブと呼ばれるドライブ(あるいは論理パーティション
でもいいですが、あなたが読んだ本によりますよ)を作ることで望みをかなえ
ることができるのです。基本パーティションのなかにこのような論理ドライブ
を作成すると、この基本パーティションを拡張パーティションと呼びます(個々
に独立した、つまり基本パーティションの範囲を越えて拡張され、3つのサブ
パーティション(論理ドライブ)を含みます。
  ややこしくなりましたか?そう思うなら、この件については OS/2 のマニュアル
を読んだ方がいいかもしれません。私がここで説明するよりももっとうまく説
明してあるでしょう。

  ところで、"この mini-HOWTO の著者は拡張パーティションに4つのものを
押し込めたいんだ、だけど、彼はそこに3つのサブパーティションしか持てな
かった"と言っているのだとあなたを途方に暮れさせているかもしれませんね。
すくなくとも MS-DOS と OS/2 の論法ならこれが当てはまります。しかし、こ
こに時代を救うために来たとても力強く有能な Linux があります。 Linux は
拡張ドライブに3つ以上のサブパーティションを作成することができます。い
くつ出来るのかは、私は知りませんが。しかし、少なくとも4つ(私たちが必
要とする全部)作成できることがわかっています。そこで、下記のインストー
ルの手順を進めるとき、 MSDOS あるいは OS/2 プログラムが使うパーティショ
ン、つまり3つの論理パーティションを作成するのを覚えておきましょう。そ
れから Linux をインストールする段階に進んだなら、その時それらのひとつ
を2つに分けるのです。本質的に、MS-DOS と OS/2 は3つの論理ドライブだ
けを見るように"ちょっとした手品をしている"と考えることができますが、実
は(そして Linux にとっては)、4つあることになるのです。

それでは着実な手順の説明に進みましょう。

注:( )の数字はメガバイトで、私の1.2GM の HDD で使用したものです。

1. Linux slackware CD にある view.exe を実行し、ブートディスクとルート
ディスクを作ります。Linux 起動プログラムは、Root disk のことを、
Ramdisk フロッピーと呼ぶので、私は、これからこのディスクを Ramdisk
(Root) フロッピーと呼ぶことにします。

2. テープやあなたが利用している媒体に保存したいものをバックアップして
おきます。

3. オリジナルの MSDOS インストールフロッピー、disk1 を起動します。

4. "Starting MSDOS" と表示されたら、config.sysとautoexec.bat を使わな
いで起動するために F5 キーを入れます。

5.  Run a:\fdisk.exe.

5. fdisk を起動します(a:\fdisk.exe)。

6. すべてのパーティションを削除します(この時、このような警告が出ますか
ら注意してください。** 削除あるいはパーティションを変更するとディスク
からすべてのデータが失われます。**)

7. MSDOS 基本パーティションを作成します。(11MB)  

8.このパーティションをフォーマットします。

9. setup.exe を起動(a:\setup.exe)して、このパーティションに MSDOS をイ
ンストールします。

10. OS/2 を起動します。

11. 「拡張インストール」を選択します。

12. FDISK を起動します。(OS/2 インストールメニューを使っているなら、
FDISK の画面になるでしょう。)

13. MSDOS のパーティションの次に、基本パーティションを1つ作成します。
これが Windows 95 のパーティションになります。(349MB)

14. さらに次の基本パーティションをブートマネジャーを追加します。(2MB)

15. 拡張パーティションを作成します。

16. 拡張パーティションに論理ドライブを追加作成します。これがMSDOSシス
テムのデータ区画になります。(511MB)

17. 拡張パーティションにもうひとつ論理ドライブを追加します。これが OS2 
の HPFS(High Performance File System) パーティションになります。(127MB)

18. さらにドライブの残りのスペースに最終の論理ドライブを作成します。
ここはあとで、Linux のための2つのパーティション( swap パーティション
と native パーティション)にします。DOS の場合も同様ですが、OS2 では1
つのドライブに対して最大6つまでパーティション(3つの基本パーティショ
ンと1つの拡張パーティションを含む3つ論理ドライブ)を作成することが出
来るわけですから、ここであと1つだけパーティションを作成しなければなり
ません。
残っている場所をフリースペースのままにしておいたのでは、あとで Linuxが
必要とする2つのパーティションを作成することはできませんから、このパー
ティションはどうしても作っておかないといけません。OS2 の FDISK では、
最終の論理パーティションが最後の論理ドライブになります。つまり、今はこ
れ以上のパーティションを作成することは出来ません。だから、もうすこし分
かりやすく言うと、この最後になる論理ドライブを Linux のためのパーティ
ションとして確保しておいて、のちほどこのパーティションをを一旦削除し、
そこに新たに2つのパーティションを作り直すわけです。

19.  1,2 そして 5 をブートマネジャーに加えます。

20. パーティション 5 をインストール可能にします。
 FDISK の画面は以下のようになるはずです(あるいはこれに似た形になるでしょう)。


                               FDISK

Disk 1
___________________________________________________________________________

パーティション   状況
の名前                         アクセス     ファイルシステム    MBytes
___________________________________________________________________________

MSDOS           ブート可能     C: Primary      FAT              11
WIN 95          ブート可能      : Primary      FAT             350
                始動可能        : Primary   ブートマネジャ       2
                なし           D: Logical   未フォーマット     511
OS/2         インストール可能  E: Logical      FAT             127
                なし           F: Logical    未フォーマット    219
---------------------------------------------------------------------------

21. OS/2 のインストール作業を続行します。

22. ブートマネジャーからパーティション 2 (Windows 95)を選択し再起動します。 

23. 画面には「オぺレーティングシステムがない」という意味のエラーが表示
されますので、MSDOS インストールディスクで起動します。MSDOS パーティショ
ンを隠すために、このパーティションを選択したわけです。OS/2 のブートマ
ネジャーはちょっと不思議なものです。存在するすべてのブート可能な領域
(我々の場合では、MS-DOS と OS/2 になります)について、ブート時にそれら
のひとつだけを見ることができるのです。これは、ひとつのパーティション
(たとえば MSDOS)をブートするなら、他のパーティション( Win95 )は見えな
くなるということを意味しています。つまり MSDOS パーティションと Win95 
はドライブレターを共有しているのです。上記の表にある "アクセス Access
" で示しているように、MSDOS がドライブ C であると Win95 はドライブ名は
なくなるという理由です。 この状態で MSDOS はドライブ C と認識され、
Win95 はドライブ名がなくなり見えません。Win95 がブートされたなら逆にな
ります。

  MSDOS はドライブ名を持たず見えなくなり、Win95 がドライブ C として認
識されます。** 見えないドライブ は全くアクセスすることが出来ません。**
ひとつのドライブだけが見えているその状態で、2つのドライブ同士でファイ
ルをコピーしたいなら、あなたはスワップファイルを共有(ブート可能でない)
ドライブを使わねばなりません。我々の場合、 DOS と Win95 のデータドライ
ブ(先に述べた D の 511MB)がこの共有ドライブになります。"結局のところ 
Linux もブートするつもりですか?" と聞くかもしれませんね。その答えは 
Yes です、そうしましょう。しかしながらまだとてもそこには至っていません
が。

24. パーティション 2 に MSDOS をインストールします(Windows 95 をインス
トールするためにこれが必要です。)

25. パーティション 2 を起動します。

26. このパーティションに Windows 95 をインストールします(Win95 のアッ
プグレード版を使っているなら、Win3.1 のインストールディスク 1 を入れる
準備をしておかないといけないかもしれません。)

27. パーティション 1 を起動します。

28. パーティション 4 をフォーマットします。

29. パーティション 1 と 4 にテープ(あるいは別の何か)からデータを戻します。

30.  ブートフロッピーから Linux を起動します。

31. 次に Linux Ramdisk (Root) フロッピーをいれます。

32. root でログインし、# のプロンプトが出たら、fdisk と入力し、エンター
キーをいれます。

33. 最後のパーティションを削除します(ステップ 18 で確保しておいた最終
のパーティション)

34.  16MB のパーティションを作成し、これを Linux Swap 領域とします。(17MB)

35.  ディスクの残りの部分に最後のパーティションを作成します。ここを 
Linux native とします。(198MB)

36.  ブートセクターに変更を書き込み、再起動します。

37.  プロンプト # が表示されたら、セットアップを始めます。

38. 最終のパーティションに Linux をインストールします。

39. Linux の root ファイルシステムである最終のパーティションに LILO を
インストールします(MBR ではありません。これを選ぶとうまくいかないでしょ
う)。最終のパーティションのみに LILO をインストールしたら、起動待ち時
間をゼロにします。こうすることで、OS2 ブートマネジャーから Linux を選
択した時、LILO がアクティブになり、拡張パーティションにある論理ドライ
ブから Linux を起動することが出来ます。Linux は LILO から active にし
たい唯一のパーティションなので、ロードする kernel が1つだけなら、起動
待ち時間の設定は不要です。(複数のカーネルがあるなら、起動待ち時間を 0 
より大きく設定します。)

40.  Linux Swap パーティションを有効にします。(このことについては Matt
WelshのLinux Installation and Getting Started Manual を参考にしましょう)。

41.  OS2 を起動します。

42.  FDISK を起動します。  

43.  ブートマネジャーに Linux NATIVE パーティションを加えます(type 82 
ではなく、type83 のパーティションです)。

FDISK の画面は以下のように(あるいはこれに似たものに)なるはずです。


                               FDISK

Disk 1
---------------------------------------------------------------------------
パーティション   状況
の名前                         アクセス     ファイルシステム    MBytes
___________________________________________________________________________

MSDOS          ブート可能        C: Primary      FAT              11
WIN 95         ブート可能         : Primary      FAT             350
               始動可能           : Primary    ブートマネジャー    2
               なし              D: Logical      FAT             511
OS/2           ブート可能        E: Logical      HPFS            127
               なし               : Logical      Type 82          17
Linux          ブート可能         : Logical      Type 83         198



はい、完成です!

コメントや提案、あるいは最新のレポートに関して問題があれば、
r3mdh@imperium.net  まで連絡をください。

Mike Harlan
23 JUL 1997
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日本語訳は Linux-JF プロジェクトの多くの方々にサポート頂きました。
ありがとうございます。
訳:中谷千絵 jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp
1996/05/22 (v1.0, 06 MAR 1996)
1997/08/06 (v1.3, 23 JUL 1997)
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