この章では Linux で現在サポートされているサウンドカードとインターフェースの 一覧を示します。ここでの情報は、執筆時点での最新の Linux カーネルに基づいて います。
サウンドドライバはそれ自身のバージョン番号を持っています。最新の安定した Linux カーネルリリースはバージョン 2.0.18 ですが、それに組み込まれている サウンドドライバのバージョンは 3.5.2-960630 です。
訳注: 翻訳時点(1996年9月17日)でのカーネルの最新バージョンは、 2.0.21 のようです。
サウンドドライバの作者、Hannu Savolainen からは、標準 Linux カーネル パッケージに含まれているものよりも新しい、ベータリリース版の サウンドドライバがカーネルパッチの形で提供されています。
訳注: 現在、フリーのサウンドドライバは OSS/Free という名前になっています。 Linux 版はバージョン 3.5.4 が最新で、2.0.1 以降のカーネルに含まれている そうです。
この情報はIntelプラットフォーム上のLinuxについてだけ有効です。 他のプロセッサアーキテクチャにも当てはまる情報もあるでしょうが、 筆者には他のプロセッサについての経験も情報もありません。
以下のサウンドカードはLinuxカーネルのサウンドドライバでサポートされて います。
以下のカードはサポートされていません。 廃れたカードであったり、ドライバを書くのに必要なプログラミング情報が 業者から提供されていなかったりするためです。
ここに名前が出なかったカードでも、サポートされているカードのどれかと 互換性があるとうたわれているカードは、 ハードウェア(つまりレジスタレベルで)互換ならば使えるかもしれません。 「100%サウンドブラスター互換」と書かれているカードでも、レジスタ互換で ないものがあります。 互換カードを使うためのコツについては、もう少し後で説明します。 もしここに載っていないカードで使えるものがあれば、リストに追加しますので 筆者に教えてください。
Linux カーネルは、ある種のサウンドカード(例えば Pro Audio Spectrum 16)上の SCSIポートや、何種類かの CD-ROM ドライブ用の独自インターフェース(例えば Sound Blaster Pro)をサポートしています。詳しくは、Linux SCSI HOWTOおよび CDROM HOWTOを 参照して下さい。
ジョイスティックポートをサポートするためのローダブルカーネルモジュールも 入手可能です。
カーネルの SCSI や CD-ROM、ジョイスティック、それにサウンドカードの ドライバは、お互いに完全に独立しているということに注意して下さい。
サウンドカードドライバに関する最新の情報は、「参考文献」に書かれている Hannu Savolainen の WWW サイトから得ることができます。
いくつかの「非公式」なサウンドドライバも存在します。 これは標準の Linux カーネルパッケージには含まれておらず、 標準のサウンドドライバと差し替えて使用するものです。
商用バージョンの Linux サウンドドライバが 4Front Technologies という 会社から発売されています。このドライバには、Linux カーネルに含まれる フリーのバージョンに比べて、いくつかの機能が追加されています。 詳しくは、4Front Technologies のウェブページ、 http://www.4front-tech.com/ を参照して下さい。
Markus Mummert ( mum@mmk.e-technik.tu-muenchen.de)氏は、Turtle Beach MultiSound(classic)、Tahiti、それに Monterey サウンドカード用の ドライバパッケージを書いています。その文書にはこうあります。
「このドライバは、ビジーなシステムでも同期を失うことなく高品質なハードディスク レコーディング/プレイバックができるように設計されています。 波形合成、MIDI あるいはディジタル信号処理(DSP)などの機能は使用できません。 また、レコーディングとプレイバックを同時に行なうことは不可能です。 このドライバは VoxWare を置き換えるもので、カーネルバージョン 1.0.9 から 1.2.1 でテストされています。また、UN*X SysV386R3.2システムにも インストールすることができます。」
このドライバは http://www.cs.colorado.edu/~mccreary/tbeach から入手可能です。
Kim Burgaard ( burgaard@daimi.aau.dk)氏は、Roland MPU-401 MIDIインターフェース用の デバイスドライバとユーティリティを書いています。Linux ソフトウェアマップ エントリには、次のような記述があります。
「Roland MPU-401 完全互換の MIDI インターフェース (Roland SCC-1 および RAP-10/ATW-10 を含む)用のデバイスドライバで、 スタンダード MIDI ファイルプレイヤおよびレコーダなどの、有用な ユーティリティとともに提供される。
バージョン 0.11a から多くの改良が施された。 IRQ 共有機能のサポートと新しいカーネルモジュールインターフェースへの対応、 メトロノーム機能、ビートに合わせてグラフィックスを表示するなどの同期化機能、 先進のリプレイ/レコード/オーバーダブインターフェース、 その他多数。」
このドライバは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/kernel/sound/mpu401-0.2.tar.gz から入手可能です。
サウンドハードウェアを必要としない代替サウンドドライバがあります。 PC の内蔵スピーカを利用するものです。 サウンドカードのドライバとほぼソフトウェア互換ですが、 ご想像の通り音質は悪く、CPU に大きな負荷がかかります。 音質はスピーカーの特性によって変化するようです。 詳しくは、ドライバに付属の文書を参照してください。
現在のバージョンは 0.9b で、 ftp://ftp.informatik.hu-berlin.de/pub/os/linux/hu-sound/ にあります。
パラレルプリンタポートに付加回路を接続して、ディジタル−アナログ変換装置を 作る方法もあります。 この方法は PC スピーカよりもよい音質が得られますが、やはり CPU には大きな負荷が かかります。上述の PC サウンドドライバパッケージはこの方法をサポートしており、 必要なハードウェアを作るための説明も載っています。