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13. 補遺

この章は未分類の情報を集めたものです。それぞれの情報はそれなりに面白い と思います。一時的な領域だと思ってください。

13.1 スワップと /tmp を一緒に使う

最近 linux 関連のニュースグループでは、一時的な記憶領域に特化したファ イルシステムに関する議論が続いています。これは *BSD* や Solaris におけ る tmpfs や NeXT の swapfs に刺激を受けたものでしょう。

これらの一時的な記憶領域は、普段はそれほどのスペースを必要としませんが、 しかしある程度の余裕を見込んだ分を割り当てておく必要があります。ここで 簡単な統計学的考察をしてみましょう。統計的変数を加え合わせると、和の変 動は相対的に減少します。従ってスワップと /tmp を一緒にしてお くと、それぞれに大きな領域を確保しておかなくてもすむようになるのです。

この特殊なファイルシステムは、要するにスワップ可能なラムディスクである と言えます。つまりメモリが足りなくなったときに限って内容をディスクにス ワップアウトするわけです。これによって一時ファイルを効果的にスワップパー ティションにおくことができるようになります。

しかし問題点も有ります。この手法を用いるとスワップ領域と /tmp 領域のパラレルな利用ができなくなるので、高負荷の下ではシステムのパフォー マンスが低下する可能性があります。つまりスピードとスペースのトレードオ フになるわけです。複数のドライブを用いてインターリーブ化すれば、性能低 下は多少抑えられるかもしれませんが。

13.2 スワップドライブのインターリーブ化

インターリーブは複数のドライブを用いて負荷を分散させる機能です。ストラ イピングよりは少々原理は簡単で、単にそれぞれのディスクを順番にアクセス するだけです。 Linux ではさらに優先度のパラメータを指定することができ るようになっており、システムが最高速になるように調整できます。用いてい るディスク間で大きな性能差がある場合などに有効です。詳細に関しては "man 8 swapon"、また "man 2 swapon" も見ておいてください。

13.3 スワップパーティション: 使うべきか使わざるべきか?

スワップパーティションを必要としない場合も少なくありません。例えば RAM が充分にあり( 64 MB くらいでしょうか)、またユーザが一人しかいないよう な場合です。このような場合は実験的にスワップパーティション無しでシステ ムを運用し、仮想メモリを使い切っていないかをシステムのログで確認してみ ても良いでしょう。

スワップパーティションを切ってしまうことには以下のような利点があります。

まとめます。スワップパーティションは便座の暖房機能みたいなものです。そ んなに頻繁に使うものではないですが、必要な時にはその存在は非常にありが たいものです。

13.4 Dejanews

これはインターネットのサイトで、おそらく読者の多くはすでに利用している ことでしょう。ここでは Usenet ニュースの記事を 1995 年から最新のポスト に至るまで、検索して閲覧することができます。また WWW を通してニュース の購読やポストを行うこともできます。他にも色々な機能があります。 Dejanews に行ってみてください。

こちらはあまり知られていないでしょうが、このサイトは Linux の SMP コン ピュータ2台で運用されています。メモリは 256 MB、数百 GB のディスクから なっています。

一応断っておきますが、宣伝しているわけではありません。メジャーなインター ネットサービスにどの程度のハードウェアが必要になるのか、例として挙げて いるだけです。

13.5 ファイルシステム構造

現存するファイルシステム構造には多くのものがあります。 FSSTND (もうす ぐ FHS ですね)と理念、戦略、実装それそれの面に関して似ているもの、違っ ているもの、いろいろです。ここでそれぞれについて詳しく述べることは不可 能です。興味を持った読者はそれぞれの man ページを "man hier" でご覧になってみてください。多くのプラットフォームや実装 に用意されていると思います。


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