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3. ブートローダを使ってパラメータを渡す

この節では、あなたが Linux の標準ブートローダである LILO を使っている ものとしています。

Linux のカーネルは、ブート時にパラメータを受け取ることができます。これ は、ブート時には決められない設定をカーネルに渡すためです。ネットワーク アダプタに関しては、以下のパラメータが認識されます。

ether=<IRQ>,<IO-ADDR>,<PARAM1>,<PARAM2>,<NAME>
数字の指定には、10進数、8進数('0'で始まる数字)、16進数('0x'で始まる 数字)を使うことができます。最初に出た数字以外の引数は、<NAME> (デバイス名)とみなされます。空白の引数は 0 とされます。省略された引 数は、デフォルトの設定のままになります。

IRQ

ここには IRQ を書きます。ソフト的に IRQ 指定が可能なカードの場合は、書 いた値に設定されます。ジャンパスイッチなどを使って指定するカードの場合 には、設定した値を書いて下さい。'0' を書くと、カードへIRQ を読みに行き ます。不可能な場合は自動 IRQ を使います。

IO-ADDR

ここには探索してほしい I/O アドレスをひとつ書きます。ここに '0' を書く と、イーサカードで通常使われるアドレスを全て探索します。

アドレスが探索できるかどうかの判断には、I/O アドレス領域の予約マップを 使います。I/O アドレスを特定した場合には、マップは無視されます。したがっ て、"reserve=" パラメタと組み合わせて使えば、他のデバイスがその領域を 探索しないようにできます。

PARAM1,PARAM2

もともとこれらのパラメタは、共有メモリ型のアダプタ(WD8013など)で、メ モリアドレスを指定するために使われていました。現在は、ドライバ固有のパ ラメタを指定することができるように拡張されています。

NAME

カーネルに定義されているデバイス名を入れます。標準的なカーネルでは、 eth0, eth1, eth2, eth3 が定義されています。他のデ バイス名(PPP とか SLIP など)もあるかもしれませんが、それら は他の用途で用います。

LILO で、これらのブートパラメータをカーネルに渡すには、2つの方法があ ります。ひとつは、ブートイメージの選択のとき、名前に続けて打ち込む方法 です。次の例では、4つのカードを一気に有効にしています。

linux ether=0,0,eth1 ether=0,0,eth2 ether=0,0,eth3
これをブートの度に入力するのは面倒ですし、またこの方法では無人リブート ができなくなってしまいます。これらのパラメータを常に有効にすることも できます。それには、LILO のコンフィギュレーションファイル /etc/lilo.conf の中で、"append" 行によってパラメータを指定し、 lilo を実行して変更を有効にします。

append = "ether=0,0,eth1 ether=0,0,eth2 ether=0,0,eth3"


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