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2. 各種音声のフォーマットの再生

音声のフォーマットにはたくさんの種類があります(WAV、MIDI、MPEG など)。 これから各種フォーマットと、それを再生することができるアプリケーション について解説します。

2.1 MIDI 形式

MIDI は Musical Instrument Device Interface の頭文字を取ったものです。 MIDI ファイルには普通、拡張子 .mid が付いています。MIDI ファイル はどの楽器をいつ、どのように鳴らすかなどのシーケンス情報の形で保存され ています。再生される音楽は演奏するハードウェア(おそらく演奏するソフト ウェアにも)依存し、同じファイルでも素晴らしく聞こえたり、ひどい音になっ たりします。

Adagio パッケージ

このパッケージには mp (コマンドライン操作の MIDI ファイルプレイヤー) とxmp(XView ベースのプレイヤー)が含まれています。xmp を使うた めには SlingShot 拡張が必要です。このパッケージには Adagio 形式の楽譜 を演奏するプログラムも入っています。

もしあなたが GUS を持っていれば、mp で MOD 形式のファイルも演奏で きます(MOD 形式についての詳細は Module 形式 の章を参照のこと)。

(一部のハードウェアで起こる、バージョン0.5の)ちょっと困ったバグは音が 最後で切れてしまうことです。つまり、MIDIファイルに書かれている通りに曲 が終わるのではなく、長い休止の後の最後の音を演奏する前に、休止の前の音 符で曲を終えてしまいます。私にとっては、このバグはmpを使うのをや めるほどではありませんが、本格的に使う人にとってはそうはいかないかもし れません。このプログラムの起動は比較的遅めです。

このパッケージには著作権表示が全くありません(少なくとも私は見つけられ ませんでした)。ですから、私はこのパッケージは自由に配布・改変して良い ものだと考えています。ただし、私はこの記述についての責任は持てません。

このパッケージは Greg Lee (lee@uhunix.uhcc.hawaii.edu)氏が CMU MIDI Toolkit を Linux へ移植したものです(ですが、そう言い切れなくなる くらい変更されています)。

このパッケージは /pub/linux/packages/sound/adagio05.tar.gz という名前で、tsx-11.mit.edu から anonymous FTP で入手する ことができます。 パッケージに含まれているバイナリは a.out 版(昔のライブラリとリンクされ ている)であり、xmp は X11R6 環境(XFree86 3.1.1, libc 4.7.2) では Segmentation fault で終了してしまいます。mp は、a.out 環境で は正しく動くようです。

自分でコンパイルするには少しだけ改造が必要です。実際にはたいしたこと ではありません。しなければならないのは Makefile の SHROBJXMPOBJ の定義の最後の部分にそれぞれ -lfl を追加することだけ です。これは、標準ではリンクされない flex ライブラリをリンクさせ るためです。それ以外はドキュメントの指示通りにインストールしてください。 もしxmp をコンパイルするなら XView と SlingShot 拡張をあらかじめ インストールしておくことを忘れないでください。

timidity

開発途中の プログラムですが、音質が良いので、このプログラムを勧め る人もいます。(GUS 等の wavetable synthesis を持つサウンドカードではあ まり差は出ませんが、Sound Blaster 16 では mp よりもずっと良い音質 です。)しかし、このプログラムは CPU を酷使します。このプログラムは、ま ず MIDI を WAV に変換し、それから WAV を演奏します(演奏せずに変換だけ することもできます)。これが CPU への負荷が高い理由です。

このプログラムは ncurses、SLang、Tcl/Tk、Motif のインタフェースも利用 できます。

timidity を利用するためには Gravis Ultrasound パッチファイルが必要です。 このパッチは diff コマンドで生成するパッチではなくて、楽器等の音情報が 入っているファイルのこと(*.pat)です。従ってサウンドカードの種類によら ず、GUS パッチは必要となります。詳しくは、timidityに付属する FAQ を参照してください。

作者は Tuukka Toivonen 氏(titoivon@snakemail.hut.fi)です。

timidity の最新版は TiMidity ホームページで入手できます。 このページには、GUS パッチのライブラリへのリンクもあります。 Motif 版 のものは Vincent Pagel's home page で入手できます。

playmidi

これは FM, GUS, 外部 MIDI を使って MIDI を演奏するプレイヤーです。他の MIDI プレイヤーより起動は速いようです。また、CMF 形式(Creative Music Files)、マイクロソフト RIFF (RMI) 形式、さらに Ultima 7 のようなゲーム に含まれている大量の MIDI アーカイブも演奏することができます。

playmidi には X 版と SVGA 版のインタフェースがあります。また、各チャン ネルの音符全てを追跡表示したり、現在の演奏時間を表示しながらリアルタイ ム演奏するオプション機能を持っています(xplaymidisplaymidi には標準で含まれています)。

SVGAインタフェースを使う場合には、以下のように実行しなければなりません。

$ splaymidi foo.mid; stty sane

これは、端末の tty モードが正しくリセットされないからです。SVGA インタ フェースは近いうちになくなるかもしれません。

作者は Nathan Laredo 氏(laredo@gnu.ai.mit.edu または laredo@ix.netcom.com)です。

プログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/playmidi-2.3.tar.gz の名前で anonymous FTP で入手する ことができます。

2.2 Module 形式

(コンピュータ・ミュージックの世界では) module 形式というのはサンプリン グした音とシーケンスの情報からなる音楽ファイルです。どのサンプル音(楽 器)が、どのトラックに、どのピッチで、どのような効果(ビブラート等)を与 えられて(オプション)鳴るかをプレイヤーに指定します。

MIDI ファイルに対する優位性としては、(人間の声などを含む)どんな音でも 利用できる点があります。プラットフォームにかかわらずほぼ同じ音が鳴ると いう利点もあります。これは module 形式にはサンプリングした音が含まれて いるからです。欠点は MIDI と比較してファイルサイズが大きくなってしまう ことです。もう一つの欠点として、きちんとした標準フォーマットがないとい う点もあります。(「本当の」標準形式は ProTracker のものなのですが、多 くの module ファイルは ProTracker 形式と互換ではありません。)このファ イル形式は元は Amiga で使われていたものです。

最も一般的なフォーマットのファイルは .mod という拡張子を持ってい ます。これ以外にもそのファイルが準拠しているフォーマットに従って、いろ いろな拡張子が使われます。

tracker

これは非常に移植性の高い(たくさんのプラットフォームへ移植されている)プ ログラムで、Soundtracker と Protracker の module ファイルを演奏できま す。16ビットのステレオ出力を用いており、音質は非常に良いです。とりあえ ず CPU の負荷を減らしたいならば、-mono オプションを使うことができ ます。

これは(作者によれば) giftware プログラムです。 作者は Marc Espie 氏(Marc.Espie@ens.fr)です。

既に Linux 用に Makefile を変更してあるものが sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/tracker-4.3-linux.tar.gz の名前 で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

gmod

これは Gravis Ultrasound カード用の module プレイヤーです。 4/6/8 チャン ネルの MOD 形式、8チャンネルの 669 形式、MultiTracker(MIM) 形式、 UltraTracker (ULT) 形式、FastTracker (XM) 形式、ScreamTracker III (S3M)形式のフォーマットをそれぞれサポートしています。

このプログラムはバージョン 3.0 以降のサウンドドライバを必要とします。 また当然ながら GUS も必要です。好きなように音量調整できるようにするた めにはカーネルを少し変更する必要があるかもしれません。

このプログラムには X 版のインタフェースが用意されています。これは、QT ツールキット(バージョン 0.99 以降が必要)を使うものです。QT ツールキッ トについての詳しいことは、 QT ツールキットホームページ を参照してください。

このプログラムは自由に配布できます。オリジナルは Hannu Savolainen 氏が 書いたものですが、現在は Andrew J. Robinson 氏 (robinson@cnj.digex.net)がメンテナンスしています。

このプログラムは、 sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/gmod+x-3.0.6.tgz の名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

MikMod

XM、ULT、STM、S3M、MTM、MOD、UNI形式の module ファイルを演奏することが できる移植性の高いプレイヤーです。(UNI形式は MikMod が内部的に使ってい るフォーマットです。) zip によって圧縮された module ファイルもサポーし ています。出力は 16bit ステレオです。CPU への負荷を抑える必要があるな ら、-m オプションを指定してモノラル出力を使いましょう。

Unix 版は ncurses のインタフェースを使います。

作者は Jean-Paul Mikkers 氏 (mikmak@via.nl)で、Unix版は Steve McIntyre氏(sam1007@cam.ac.uk)によって多くの修正がなされています。 このプログラムは商用利用の場合には登録が必要なシェアウェアです。また、 商用目的で配布を行なう場合にも許可が必要です(非商用の場合には許可は不 要です)。

Unix 版は sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/mikmod-2.14-unix.tar.gz の名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

xmp

これは module 形式のプレイヤーで(Adagio パッケージに含まれる xmp と混同しないでください)、wavetable synthesis のついて いるサウンドカード(GUS や SoundBlaster 32AWE)や SoftOSS(ソフトウェアで ミキシングを行うドライバ)のあるシステムを使って MOD、S3M、XM module 形 式のファイルを演奏することができます(他の形式もサポートされていますが、 テスト中であったり不完全であったりします)。近い将来に、他のサウンドカー ドもサポートされるはずです。

xmp の X を用いたフロントエンドもあります。

作者は Claudio Matsuoka 氏(claudio@brasil.enemy.org) と H. Carraro Jr. 氏です。利用に関する制限はありません。

入手は xmp ホームページで行うことができます。

s3mod

このプログラムは 4/6/8 トラックの MOD module ファイルと Scream Tracker 3 の module ファイルを演奏することができます。このプログラムはデフォル トではサンプリングレート22kHz の 8bit モノラル出力を使用します。ステレ オ出力を使うためには -s オプション、16bit出力を得るためには -bオプションを、サンプリング周波数を変更するためには -f オプ ションを使用します。しかし、出力の音質は tracker プログラムより悪い(ノ イズが乗ります)ので、普通の MOD ファイルの出力には s3mod よりも tracker を使うことをお勧めします(マシンの性能が低くない限り)。こ のプログラムは tracker よりもずっと CPU への負荷は低いです。

このプログラムは Daniel Marks 氏と David Jeske氏 (jeske@uiuc.edu) の著作物ですが、(あなたが作ったと主張するようなことをしなければ)自由に 扱ってかまいません。

このプログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/s3mod-v1.09.tar.gz の名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

mod

この ベータ版 プログラムは Gravis Ultrasound カードを使って MOD (15/31 楽器、32声まで)、MTM、ULT、S3M 形式のファイルを演奏することがで きます。gziplharcunzipunarj がインストー ルされていれば、圧縮されている module ファイルを演奏することもできます。 Powerpacked module ファイルや一部の Amiga の作曲ソフトで圧縮された module ファイル(データの先頭に "PACK" と書かれているもの)は演奏できま せん。

このプログラムを使うには少なくともバージョン 3.0 以降のサウンドドライ バが必要です。バージョン 2.90-2 以前のサウンドドライバでは うまく 動きません。テキスト版のインタフェースを使うには ncurses が必要です。 Tcl/Tkを使うX版のインタフェースもあります。

作者は Mikael Nordqvist 氏 (mech@df.lth.se あるいは d91mn@efd.lth.se)です。

このプログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/mod-v0.81.tgzの名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

nspmod

この アルファ版 のプログラムは MTM、S3M、MOD形式の module ファイ ルを演奏することができます。このプログラムは DSP(Creative Lab 社が DSP と読んでいるものと混同しないでください)の無いサウンドカードを特に意識 している module プレイヤーです。このプログラムは tracker 並に CPU への負荷が高いです。

このプログラムは module ファイルの繰り返し演奏機能を持っています。繰り 返し回数は -l オプションで指定することができます。現在(バージョン 0.1)は 8bit の出力のみ可能です。

作者は Toru Egashira 氏(toru@jms.jeton.or.jp)です。

プログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/nspmod-0.1.tar.gz の名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

yampmod

この現在 アルファ版 のプログラムは、最小の CPU 資源で 4チャンネル の module ファイルを演奏できるよう設計されています。高音質の演奏は目的 となっていません。ですから、22kHz のモノラル出力だけが可能です。また、 再生の音質もアルファ版相応で、クリアではありません。

作者は David Groves 氏(djg@djghome.demon.co.uk)です。

プログラムはsunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/yampmod-0.1.tar.gz の名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

2.3 MPEG 音声ストリーム

MPEG は映像とそれに付随する音声をデジタル情報として保持するための符号 化の規格です。普通は MPEG と言えば映像のことですが、MPEG 規格の音声の 部分を映像とは別に利用することもできます。MPEG 規格では音声は3つのレイ ヤーで定義されます(レイヤー I, II, III)。数字の大きいレイヤーのファイ ルを展開できるプレイヤーは数字の小さいレイヤーのファイルも再生できます (例えば、レイヤー III のプレイヤーはレイヤー II の音声ファイルを再生で きます)。レイヤー I の MPEG 音声には、動画の場合と同じ拡張子 .mpg が付いているのが一般的です。(ですから、拡張子が .mpg なのに MPEG の動画プレイヤーで表示できない場合は、たぶんレイヤー I の音声ストリー ムです)。レイヤー II とレイヤー III の拡張子はそれぞれ .mp2.mp3 です。また、MPEG の音声圧縮はかなり強力です。MPEGレイヤー II 形式の 2MB の音声ファイルを同程度の音質の非圧縮 PCM ファイルにすると 25MB の大きさになります。

mpg123

この β版 のプログラムは、効率の良い MPEG 音声ストリームのプレイ ヤーで、レイヤー I, II, III をサポートしています。このプログラムはいろ いろなソースから集められたコードを元にしています。このプレイヤーは、 HTTP で読み込んだストリームをリアルタイムで再生することができます。 (つまり、WWW 上で直接 MPEG 音声を再生することができます。)

主な作者は Michael Hipp 氏(Michael.Hipp@student.uni-tuebingen.de) です。非商用目的の場合には、改変しなければ自由に配布することができます。 (CD-ROM や FTP サーバ等の)フリーソフトウェアのコレクションに含めること は明示的に許可されています。

最新バージョンは Oliver Fromme の mpg123 のページ から入手することができます。

maplay 1.2

この MPEG 音声ストリームプレイヤーはレイヤーIとIIのストリームだけをサ ポートしています。レイヤーIIIはサポートされていません。16bit サウンド カードを載せた Linux システム上で利用できます。

このプログラムは CPU への負荷がかなり高く、60MHz の Pentium では 55% もの CPU 時間を消費します。66MHz の 486 だと音声処理が間に合わず、 聞くに耐えない再生音になってしまいます。このような状況になってしまった ら、標準のステレオ出力はあきらめて、オーディオ出力のどちらか片方だけを 再生することにしてください(-l-rオプションを使います。)

このプログラムをコンパイルするためにはファイルの一つを少し変更する必要 があります。具体的には configuration.sh ファイルの先頭に以下の行 を追加します。

#! /bin/sh

作者は Tobias Bading 氏(bading@cs.tu-berlin.de)です。 maplay 1.2 は ftp.cs.tu-berlin.de から /pub/multimedia/maplay1.2/maplay1_2.tarの名前で、 anonymous FTP で入手 できます。

maplay 1.3b

これはmaplay 1.2 の非公式な(つまり元の作者によるものではない)修正 版で、ずっと少ないCPU負荷で動作するようにしたものです。これは SPARC 以 外のプラットホームで u-law 出力を実際に動くようにすることで実現されて います。標準で u-law 出力を用いるため、音質は比較的低い点に注意してく ださい。

修正は Orlando Andico 氏(orly@gibson.eee.upd.edu.ph)が行いました。

このプログラムは /pub/Linux/apps/sound/players/maplay-1.3b-Linux.tar.gzの名前 で sunsite.unc.edu から anonymous FTP で入手する ことができます。

maplay3

これもmaplay 1.2から派生したソフトウェアで、レイヤー3の音声ストリー ムのサポートが追加されています。現在は再生に問題があるようです(金切り 声のようなノイズが乗ります)。これを避けるためにオプションを色々いじら なければならないかもしれません。

修正は Timo Jantunen 氏(timo.jantunen@hut.fi あるいは jeti@cc.hut.fi)によるものです。利用は自由ですが、販売することは許 されていません。しかし、筆者はこの著作権表示の正当性に疑問を持っていま す。オリジナルの maplay は GNU General Public License に従ってい ますが、GNU GPL では派生ソフトウェアが元のソフトウェアと異なる著作権を 持つことを認めていないからです。

このプログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/maplay3.tar.gzの名前で anonymous FTP で入手する ことができます。

splay

これはさらに別のmaplay 1.2のβ版派生ソフトウェアです(実際は MS Windows 専用の派生ソフトウェアである maplay 1.2+ から派生したもの です)。これには MPEG レイヤー3の音声ストリーム再生機能が追加されており、 WAV ファイルの演奏も可能です。splay の他の特徴として、ライブラリ として利用可能であることが挙げられます。ですから、このライブラリは GNU General Public License に従って、他のプログラムから利用することができ ます。また、インラインアセンブリとスレッドを利用することで性能を向上さ せようとしています(この機能を使うには pthread が必要となります)。 libpthread を動的リンクさせた、Pentium 向けに最適化されたバイナリ がパッケージに含まれています。

作者は Jung Woo-jae 氏(jwj95@nownuri.net)です。

このプログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/splay-0.3.tar.gz の名前で anonymous FTP で入手する ことができます。

Sajber Jukebox

このプログラムは GUI を持っている MPEG 音声プレイヤーです。これは splay をベースにしており、レイヤーIII までの MPEG 音声をサポート しています。また、HTTP 経由で送られてくる MPEG 音声ストリームをリアル タイムで再生することができます。このプログラムの設定は簡単です。

このプログラムは QT ツールキット を用いています(少なくともバージョン 1.2 が 必要です)。また、 LinuxThreads ライブラリも用い ています(パッケージに含まれるバイナリはバージョン 0.5 のみで動作します)。

作者は Joel Lindholm 氏(wizball@kewl.campus.luth.se)です。

最新バージョンは kewl.campus.luth.se/pub/jukebox ディ レクトリから anonymous FTP で入手する ことができます。

amp

これはレイヤー 3 の MPEG 音声ストリームのみをサポートしたβ版のプ レイヤーです。直接サウンドカードで再生させることと、非圧縮 PCM や WAV ファイルへ出力することができます。CPUへの負荷は大きいです(133MHz の Pentium で約60%)。

作者は Tomislav Uzelac 氏(tuzelac@rasip.fer.hr)です。 許可無しに販売しない限り(しかし、フリーソフトウェアを集めた CD-ROM に 含めることは明示的に許可されています)、自由に利用および配布することが できます。

このプログラムは ftp.rasip.fer.hr から /pub/mpeg/amp-0.7.3.tgzの名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

シェアウェアの レイヤーIII エンコーダ/デコーダ

これはプレイヤーではなく、MPEG のレイヤーIII音声ストリームを WAV、AIFF、 SND、AIFC、非圧縮 PCM 形式ファイルに変換するプログラムです。Linux 版は 音声を直接再生することができないので、音声をまず他のファイル形式に変換 してから再生しなければいけません。

しかし、変換したファイルを sox を使って再生すると、(少なくとも Intel プラットホームでは) PCM サンプル音のワードオーダーが正しくないた めにノイズしか再生されません。これを避けるためには sox-x オプションをつけて実行する必要があります。しかし、ワードオーダーがおか しいことを教えてやる必要のないプレイヤーもあるので、この問題について心配 する必要はないかもしれません。

高速なコンピュータ上(少なくとも Pentium 100Mhz以上)では、以下の例のよう にすれば レイヤーIII MPEG 音声ストリームを一度他のファイル形式に変換す ることなく直接再生できるので試してみてください。(この例では sox を使って 44.1 kHz のステレオ音声を再生しているものとします。)

$ l3dec foo.mp3 -sto | play -t raw -x -u -w -c 2 -r 44100 -

の数字はモノラルかステレオ(あるいは4重音声)を指定します。この指定が複 雑すぎると思ったならば、シェルスクリプトかエイリアスなどを利用すればい いでしょう。

このプログラムは Fraunhofer-IIS 社の著作物であるシェアウェアです。x86 用 Linux 上で動作するデモ版は ftp.fhg.de から /pub/layer3/l3v261.linux.tar.gz の名前で anonymous FTP で入手する ことができます。 デモ版の制限はレイヤー III の音声ストリームしか変換できないことです。

2.4 WAV

sox のオンラインマニュアルより引用:

このデータ形式はIFF形式ファイルに非常によく似ていますが、同じものでは ありません。これは Windows 3.1 の基本サウンドファイル形式です。Windows 3.1 はコンピュータ産業で非常に重要な位置を占めているので、専用のサウン ドファイル形式を持たなければいけなかったのでしょう。

WAV形式のファイルは普通は拡張子 .wav を持っています。

ここで挙げない WAV プレイヤーとして soxbplayの章も見てください。

wavplay

このプログラムは WAV 形式のファイルの録音と再生をすることができます。 このプログラムは同時に一つの音声しか再生されないようロッキングを行いま す。このロッキングの機能は、音声再生とは別に使うこともできます。

コマンドラインのインタフェースに加えて、Motif のインタフェースも利用で きます。これは Lesstif で代用することもできます。

このプログラムの元々の作者は Andre Fuechsel 氏 (af1@irz.inf.tu-dresden.de)ですが、Warren W. Gay 氏 (bx249@freenet.toronto.on.ca or wwg@ica.net) によってほとん ど書き直されています。

このプログラムは、sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/wavplay-1.0.tar.gz の名前で、 anonymous FTP で入手する ことができます。

XWave

このプログラムは wavplay をベースにしています。このプログラムは WAV 形式のファイルを再生・録音することができ、X Window のインタフェー スを持っています。また、多少ながら編集したり効果を加えたりすることもで きます。

このプログラムは現在開発中でバグも多いので、作者にバグの報告や修正、そ れから新しいコードなどを送ってあげましょう。

このプログラムは登録制のフリーウェアで、作者にカラーの絵はがきを送って 登録をすることで自由に再配布できるようになります。しかし捕まらない限り は未登録で使用することもできるかも???

作者は Will Fish 氏(fishwj@ee.port.ac.uk)です。

XWave は anonymous FTP で入手する ことができます。

2.5 その他のツールなど

この章では(プレイヤーがたった1つしかない音声フォーマットなど)単独の章に できない音声フォーマットのプレイヤーや、複数の音声フォーマットを扱えるプ レーヤについて説明します。

sox

このプログラムは実はコンバータで、ある形式のサウンドファイルを他の形式 に変換するものです。しかし、play の名前で起動された場合には、サ ウンドを再生します。(Sound HOWTO に記述されているアプリケーション play とはたぶんこれのことです。)このプログラムは非圧縮(ヘッダ無し の)バイナリ、textual data、 IRCAM 音声ファイル、 Sound Blaster .voc、 SPARC .au (w/header)、 Mac HCOM、 PC/DOS .sou、 Sndtool、 Sounder、NeXT .snd、 Windows 3.1 RIFF/WAV、 Turtle Beach .smp、CD-R、Apple/SGI AIFF 、8SVX の各形式をサポートしてい ます。

バージョン1.3.6xあたりのカーネルを使っている場合は、直接音声を再生でき るようにするために少し変更を行う必要があるかもしれません。その場合は sbdsp.c の179行目を

if (abuf_size < 4096 || abuf_size > 65536) {

から

if (abuf_size < 1 || abuf_size > 65536) {

とします。 繰り返しますが、変更する必要はないかもしれません。しかし、変更して問題 が起こることもないと思います。

このプログラムは多くの人達の著作物であり、どのような目的にでも利用でき ます。

このプログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/convert/Lsox-linux.tar.gz の名前で anonymous FTP で入手する ことができます。

Chris Bagwell 氏 (tt/cbagwell@sprynet.com/) による更に新しいバージョン (オリジナル sox の最新γバージョンを元にし、上記の修正も含んでい ます)は sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/convert/sox-11gamma-cb3.tar.gz の名前で anonymous FTP で入手する ことができます。

bplay

これはβ 版のプログラムで、raw audio、 WAV、 VOC 形式のファイルを 再生及び録音することができます。このプログラムは遅いマシンでも十分な速 度が得られるよう、さまざまな高速化の技術を用いています。このような高速 化技術のうちの 1 つは root に setuid してインストールすることを要求し ます。これがとても気になる人は、Ian Jackson 氏 (ijackson@gnu.ai.mit.edu)のまとめている Debian パッケージを使うと 良いかもしれません。このパッケージでは、setuid を必要とする機能を使え なくしています。

作者は David Monro 氏(davidm@gh.cs.usyd.edu.au)です。

このプログラムは sunsite.unc.edu から /pub/Linux/apps/sound/players/bplay-0.96.tar.gz の名前で anonymous FTP で入手する ことができます。

RealAudio Player

これは、専用のフォーマットを用い、最初に音声ファイル全体をダウンロード することなく、インターネット上でリアルタイムの音声再生を実現します。ス タンドアロンでも使うことができますが、WWW ブラウザとともに使うことが主 目的です(Mosaic と Netscape で公式にサポートされています)。X 無しでは 利用できません(コンソールで Lynx と一緒に使うことはできないでしょう)。

これは Progressive Networks, Inc. 社の製品で、再配布や改変などはできま せん。利用範囲についての詳細はライセンスを参照してください。 RealAudio ホームページで登録すれ ば、無料で入手できます。

cat

cat はファイル連結のためのユーティリティとしてばかり使われがちで すが、サウンド再生のためのツールとしても利用できます。使い方を例で示し ましょう。

$ cat sample.voc > /dev/dsp
$ cat sample.wav > /dev/dsp
$ cat sample.au > /dev/audio

cat.au 形式のファイルを /dev/audio に送ると普通 はきちんと再生できます。もしファイルが(あなたのプラットホームに対して) たまたまバイトオーダなどが正しければ、cat で PCM 音声(.wav.voc など)を/dev/dspに送ってもうまく再生できるかもしれ ません。


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